執筆者:水口貴博

子どもの「外遊び」のすすめ

10

自然の音を聞くと、子どもは強く育つ。

自然の音を聞くと、子どもは強く育つ。 | 子どもの「外遊び」のすすめ

「田舎は何もなくて、静かすぎる」

そういう話をよく耳にします。

しかし、本当にそうでしょうか。

私は田舎出身なのでわかりますが、たしかに田舎には静かな土地が多いのは事実です。

しかし、時と場合によっては、都会に劣らないほど大きな音を耳にすることがあります。

たとえば、夏は昼も夜も大きな音が聞こえます。

昼間はセミが大合唱し、夜はカエルが大合唱をするからです。

それは大都会の工事現場に負けないくらいの大音量です。

大粒の雨が降れば、大きな音が響きます。

田舎は草木が多いので、少し風が吹いただけで、揺れる音がよく聞こえます。

少しでも天気が荒れようものなら、大きな音です。

それは、都会で車が頻繁に行き交う車道に負けないくらいの騒音です。

しかし、そうした自然の音は、都会とは違い、うるさいとは感じにくい。

むしろ「癒し」を感じる場合が多いです。

なぜでしょうか。

「音の大きさ」が問題ではありません。

「音の質」が問題です。

私たちは、自然の音を聞いたとき、ひとりでにリラックスできます。

リラックスするというのは「元に戻る」ということです。

今まで緊張しすぎていた心が元に戻り、波立っていた心が落ち着きを取り戻します。

そういう自然の音を聞いていると、体の緊張が解かれます。

セミやカエルの鳴き声でも、聞いていると癒されます。

それは生命の声であり、命の音です。

音の質が問題です。

「人工的な音」か「自然の音」かの違いです。

いい音を聞かせると、子どもはリラックスできるようになります。

また心が落ち着いたからこそ、みなぎる力もあります。

心が休んで元気を充電できるからこそ、日中は喜怒哀楽を表現しやすくなります。

きちんと心が休むと、本来の元気も出てきます。

それは田舎だけでなく、都会でもできます。

車通りが少なく、自然が生い茂る場所があるはずです。

そうした場所へ行けば、本来の自分が取り戻せ、リラックスができます。

都会とはいえ、自然の音を聞いていると、どこか「おかえりなさい」という声にも聞こえてくるのです。

子どもの「外遊び」のすすめ(10)
  • 「人工の音」より「自然の音」を聞かせる。
旅行が難しいなら、せめて日帰りのピクニックくらいならできるはず。

子どもの「外遊び」のすすめ

  1. 外遊びには、子どもが生きる力に必要な要素がすべて備わっている。
  2. 家の中のゲームだけでは、生きる力を身につけられない。
  3. 自信は、外で遊んでいれば、自然と身につく。
  4. とりあえず行動していれば、自然と話は広がっていく。
  5. 現代は豊かだ。
    それをわからせるには、野外キャンプの体験が一番。
  6. 進んだ現代社会だからこそ、昔の遊びを教える価値がある。
  7. 力任せでは勝てない昔のゲームでは、慣れた大人ほど有利になれる。
  8. 四季のある日本だからこそ、特に外遊びはおすすめ。
  9. なぜ大都会ほど、大自然があるのか。
  10. 自然の音を聞くと、子どもは強く育つ。
  11. 旅行が難しいなら、せめて日帰りのピクニックくらいならできるはず。
  12. 犬と散歩しているときに、口喧嘩は起こらない。
  13. 畑仕事を手伝わせると、不思議と味覚が研ぎ澄まされる。
  14. スポーツは、体の運動だけではない。
    脳の運動でもあった!
  15. 団体競技はどれも、頭を鍛える頭脳ゲームだ。
  16. 免疫力を高めるためには、清潔すぎてはいけない。
  17. 部屋の中は、刺激が限定されやすい。
  18. 「スクリーンで見る立体」と「現実世界の立体」は、脳には似て非なるもの。
  19. どんなにテレビが進化しても、現実世界の刺激にはかなわない。
  20. エアコンは、人の生活を便利にする。
    しかし、頼りすぎると不便にする。
  21. 国語の読解力は、経験が豊富なほどイメージが鮮やかになる。
  22. 体験を優先すると、必ず後で追い上げる力になる。
  23. 立って歩けるようになれば、外遊びをしてもいい時期。
  24. 子どもが泥んこになって帰ってくるのは、一生懸命に外で遊んで帰ってきた証拠。
  25. 真っ暗闇だからこそ、あらゆる怪物をイメージさせられる。
  26. なぜ、ウォーキングマシンは、続きにくいのか。
  27. 門限があるから、遊びの密度が濃くなる。
  28. 私たちには「新しい刺激に触れて、自分の領域を広げたい」という野心と冒険心が眠っている。
  29. 子どもの持ち物に名前さえ書いておけば、迷子になっても怖くない。
  30. 成長のために「遠くへ行ってみたい」と思う子ども。
    安全のために「遠くへ行くな」という親。
    この矛盾が問題だ。

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