執筆者:水口貴博

子どもの「外遊び」のすすめ

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部屋の中は、刺激が限定されやすい。

部屋の中は、刺激が限定されやすい。 | 子どもの「外遊び」のすすめ

インターネットやゲームが進化したため、部屋の中で何でもできるようになりました。

部屋の中とはいえ、パソコンとインターネットがあれば、もはや「何でもできる」と言っても過言ではありません。

インターネットで世界中の情報を検索できたり、地球の裏側にいる人とゲームをしたり、買い物やテレビや映画を見たりもできます。

たしかに昔に比べれば、はるかに可能性は広がりました。

便利な物は増え、豊かな時代になりました。

しかし、そんな豊かな時代でも、部屋の中だけの生活だけでは、刺激は限定されます。

なぜ、限定されるのか。

まず行動範囲が部屋の中だけというのがよくありません。

出無精になってしまうと、触れる刺激がどうしても限定的、かつパターン化しやすくなります。

部屋の中は狭いですから、1万歩歩いたり、走ったりすることもない。

「ウォーキングマシンがあるではないか」

たしかにウォーキングマシンという便利な道具を使えば、部屋の中でも運動はできます。

しかし、肝心の風景が変わることがありません。

通常の散歩には、移り変わる風景を目で確認しながら、風を肌で感じ、においを鼻で感じていきます。

「テレビで世界のさまざまな風景が見られるではないか」

たしかにテレビは世界中のさまざまな映像を映し出してくれますが、本当に立体とは言えません。

遠近感を作り出すために「ぼかし」や「重なり」を駆使していますが、あくまで平面です。

また、部屋の中が清潔すぎます。

「清潔すぎて何が悪いのか」

たしかに清潔であるのはいいことのように思えますが、言い換えれば無菌状態です。

無菌状態での生活が長くなると、体の免疫力が低下し、外の刺激や菌に対して弱くなってしまいます。

病に冒されたときの回復力が、著しく低下します。

なにより、部屋の中でじっとしていると、季節が感じられにくくなります。

閉め切った室内と便利なエアコンが、常に部屋の温度と湿度を一定に保ち、快適すぎるため体温調整機能は弱ってしまうのです。

子どもの「外遊び」のすすめ(17)
  • 出無精から脱する宣言をする。
「スクリーンで見る立体」と「現実世界の立体」は、脳には似て非なるもの。

子どもの「外遊び」のすすめ

  1. 外遊びには、子どもが生きる力に必要な要素がすべて備わっている。
  2. 家の中のゲームだけでは、生きる力を身につけられない。
  3. 自信は、外で遊んでいれば、自然と身につく。
  4. とりあえず行動していれば、自然と話は広がっていく。
  5. 現代は豊かだ。
    それをわからせるには、野外キャンプの体験が一番。
  6. 進んだ現代社会だからこそ、昔の遊びを教える価値がある。
  7. 力任せでは勝てない昔のゲームでは、慣れた大人ほど有利になれる。
  8. 四季のある日本だからこそ、特に外遊びはおすすめ。
  9. なぜ大都会ほど、大自然があるのか。
  10. 自然の音を聞くと、子どもは強く育つ。
  11. 旅行が難しいなら、せめて日帰りのピクニックくらいならできるはず。
  12. 犬と散歩しているときに、口喧嘩は起こらない。
  13. 畑仕事を手伝わせると、不思議と味覚が研ぎ澄まされる。
  14. スポーツは、体の運動だけではない。
    脳の運動でもあった!
  15. 団体競技はどれも、頭を鍛える頭脳ゲームだ。
  16. 免疫力を高めるためには、清潔すぎてはいけない。
  17. 部屋の中は、刺激が限定されやすい。
  18. 「スクリーンで見る立体」と「現実世界の立体」は、脳には似て非なるもの。
  19. どんなにテレビが進化しても、現実世界の刺激にはかなわない。
  20. エアコンは、人の生活を便利にする。
    しかし、頼りすぎると不便にする。
  21. 国語の読解力は、経験が豊富なほどイメージが鮮やかになる。
  22. 体験を優先すると、必ず後で追い上げる力になる。
  23. 立って歩けるようになれば、外遊びをしてもいい時期。
  24. 子どもが泥んこになって帰ってくるのは、一生懸命に外で遊んで帰ってきた証拠。
  25. 真っ暗闇だからこそ、あらゆる怪物をイメージさせられる。
  26. なぜ、ウォーキングマシンは、続きにくいのか。
  27. 門限があるから、遊びの密度が濃くなる。
  28. 私たちには「新しい刺激に触れて、自分の領域を広げたい」という野心と冒険心が眠っている。
  29. 子どもの持ち物に名前さえ書いておけば、迷子になっても怖くない。
  30. 成長のために「遠くへ行ってみたい」と思う子ども。
    安全のために「遠くへ行くな」という親。
    この矛盾が問題だ。

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