インターネットやゲームが進化したため、部屋の中で何でもできるようになりました。
部屋の中とはいえ、パソコンとインターネットがあれば、もはや「何でもできる」と言っても過言ではありません。
インターネットで世界中の情報を検索できたり、地球の裏側にいる人とゲームをしたり、買い物やテレビや映画を見たりもできます。
たしかに昔に比べれば、はるかに可能性は広がりました。
便利な物は増え、豊かな時代になりました。
しかし、そんな豊かな時代でも、部屋の中だけの生活だけでは、刺激は限定されます。
なぜ、限定されるのか。
まず行動範囲が部屋の中だけというのがよくありません。
出無精になってしまうと、触れる刺激がどうしても限定的、かつパターン化しやすくなります。
部屋の中は狭いですから、1万歩歩いたり、走ったりすることもない。
「ウォーキングマシンがあるではないか」
たしかにウォーキングマシンという便利な道具を使えば、部屋の中でも運動はできます。
しかし、肝心の風景が変わることがありません。
通常の散歩には、移り変わる風景を目で確認しながら、風を肌で感じ、においを鼻で感じていきます。
「テレビで世界のさまざまな風景が見られるではないか」
たしかにテレビは世界中のさまざまな映像を映し出してくれますが、本当に立体とは言えません。
遠近感を作り出すために「ぼかし」や「重なり」を駆使していますが、あくまで平面です。
また、部屋の中が清潔すぎます。
「清潔すぎて何が悪いのか」
たしかに清潔であるのはいいことのように思えますが、言い換えれば無菌状態です。
無菌状態での生活が長くなると、体の免疫力が低下し、外の刺激や菌に対して弱くなってしまいます。
病に冒されたときの回復力が、著しく低下します。
なにより、部屋の中でじっとしていると、季節が感じられにくくなります。
閉め切った室内と便利なエアコンが、常に部屋の温度と湿度を一定に保ち、快適すぎるため体温調整機能は弱ってしまうのです。