執筆者:水口貴博

子どもの「外遊び」のすすめ

15

団体競技はどれも、頭を鍛える頭脳ゲームだ。

団体競技はどれも、頭を鍛える頭脳ゲームだ。 | 子どもの「外遊び」のすすめ

スポーツは、体にいいだけでなく、脳の健康にも有効です。

体を動かすことで、血液の循環が活発化され、脳の働きもよくなります。

特に効果が強いのは「個人競技」より「団体競技」です。

個人競技も頭を使いますが、団体競技はもっと頭を使うことになります。

団体競技は、マイペースが許されません。

複数人の動きを一度に把握し、チームを勝利に導くため、状況に応じたベストの対処を考える必要があります。

たとえば、野球を例に考えてみましょう。

まず、複数人でやるからには「チーム構成」を考えます。

この時点ですでに頭を使うことになります。

誰がピッチャーになるか、レフトやライトで守るか、打順はどうするか。

人の長所や短所などを考慮に入れて、勝利へと導くために、ベストな人の配置を考えます。

ボールを早く投げられる人がピッチャーになり、素早く飛んでくるボールの守備が強い人がファーストやセカンドになります。

遠投が得意な人間がレフトやライトになるでしょう。

人の配置が決まれば、いよいよゲームスタートです。

打者がバッターボックスに立ち、ピッチャーが投げるボールを見つめます。

このとき「集中力」が高まっている状態です。

その飛んでくるボールに、どう反応するか。

ここにも思考力があります。

チームを勝利に導くために、いつもホームランばかりがいいとは限りません。

フィールドのどこへボールを落とすために、どのくらいの強さでバットを振ればいいのかを考えます。

レフトの守備が弱くなっていれば、そこを目がけるのも手です。

確実に一点を取るため、時にはバントが要求されるときがあります。

バットにボールが当たれば、一塁に向けて全力で走る。

見事、一塁まで進んでも、まだ続きがあります。

次の二塁へ進むために、ピッチャーの様子を見ながら盗塁のチャンスをうかがいます。

ピッチャーのしぐさや疲れなどを判断し「できる!」と判断した一瞬の隙を見て、全力で二塁へ向けて走ります。

チームだからこそ、数多くの状況判断が要求され、頭を酷使することになります。

ここでは例として野球を挙げましたが、ほかの団体競技でも同じです。

大勢の人が参加するのは、どれも頭を使います。

サッカー、バスケットボールなど、自分勝手にできないスポーツだからこそ、他者との距離感の把握がより必要です。

「チーム」だからこそ、脳を活性化せざるを得ない状況です。

だからこそ、団体競技は頭を鍛える機会です。

頭脳ゲームといえるのです。

子どもの「外遊び」のすすめ(15)
  • 団体競技で、より、頭を鍛える。
免疫力を高めるためには、清潔すぎてはいけない。

子どもの「外遊び」のすすめ

  1. 外遊びには、子どもが生きる力に必要な要素がすべて備わっている。
  2. 家の中のゲームだけでは、生きる力を身につけられない。
  3. 自信は、外で遊んでいれば、自然と身につく。
  4. とりあえず行動していれば、自然と話は広がっていく。
  5. 現代は豊かだ。
    それをわからせるには、野外キャンプの体験が一番。
  6. 進んだ現代社会だからこそ、昔の遊びを教える価値がある。
  7. 力任せでは勝てない昔のゲームでは、慣れた大人ほど有利になれる。
  8. 四季のある日本だからこそ、特に外遊びはおすすめ。
  9. なぜ大都会ほど、大自然があるのか。
  10. 自然の音を聞くと、子どもは強く育つ。
  11. 旅行が難しいなら、せめて日帰りのピクニックくらいならできるはず。
  12. 犬と散歩しているときに、口喧嘩は起こらない。
  13. 畑仕事を手伝わせると、不思議と味覚が研ぎ澄まされる。
  14. スポーツは、体の運動だけではない。
    脳の運動でもあった!
  15. 団体競技はどれも、頭を鍛える頭脳ゲームだ。
  16. 免疫力を高めるためには、清潔すぎてはいけない。
  17. 部屋の中は、刺激が限定されやすい。
  18. 「スクリーンで見る立体」と「現実世界の立体」は、脳には似て非なるもの。
  19. どんなにテレビが進化しても、現実世界の刺激にはかなわない。
  20. エアコンは、人の生活を便利にする。
    しかし、頼りすぎると不便にする。
  21. 国語の読解力は、経験が豊富なほどイメージが鮮やかになる。
  22. 体験を優先すると、必ず後で追い上げる力になる。
  23. 立って歩けるようになれば、外遊びをしてもいい時期。
  24. 子どもが泥んこになって帰ってくるのは、一生懸命に外で遊んで帰ってきた証拠。
  25. 真っ暗闇だからこそ、あらゆる怪物をイメージさせられる。
  26. なぜ、ウォーキングマシンは、続きにくいのか。
  27. 門限があるから、遊びの密度が濃くなる。
  28. 私たちには「新しい刺激に触れて、自分の領域を広げたい」という野心と冒険心が眠っている。
  29. 子どもの持ち物に名前さえ書いておけば、迷子になっても怖くない。
  30. 成長のために「遠くへ行ってみたい」と思う子ども。
    安全のために「遠くへ行くな」という親。
    この矛盾が問題だ。

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