スポーツは、体にいいだけでなく、脳の健康にも有効です。
体を動かすことで、血液の循環が活発化され、脳の働きもよくなります。
特に効果が強いのは「個人競技」より「団体競技」です。
個人競技も頭を使いますが、団体競技はもっと頭を使うことになります。
団体競技は、マイペースが許されません。
複数人の動きを一度に把握し、チームを勝利に導くため、状況に応じたベストの対処を考える必要があります。
たとえば、野球を例に考えてみましょう。
まず、複数人でやるからには「チーム構成」を考えます。
この時点ですでに頭を使うことになります。
誰がピッチャーになるか、レフトやライトで守るか、打順はどうするか。
人の長所や短所などを考慮に入れて、勝利へと導くために、ベストな人の配置を考えます。
ボールを早く投げられる人がピッチャーになり、素早く飛んでくるボールの守備が強い人がファーストやセカンドになります。
遠投が得意な人間がレフトやライトになるでしょう。
人の配置が決まれば、いよいよゲームスタートです。
打者がバッターボックスに立ち、ピッチャーが投げるボールを見つめます。
このとき「集中力」が高まっている状態です。
その飛んでくるボールに、どう反応するか。
ここにも思考力があります。
チームを勝利に導くために、いつもホームランばかりがいいとは限りません。
フィールドのどこへボールを落とすために、どのくらいの強さでバットを振ればいいのかを考えます。
レフトの守備が弱くなっていれば、そこを目がけるのも手です。
確実に一点を取るため、時にはバントが要求されるときがあります。
バットにボールが当たれば、一塁に向けて全力で走る。
見事、一塁まで進んでも、まだ続きがあります。
次の二塁へ進むために、ピッチャーの様子を見ながら盗塁のチャンスをうかがいます。
ピッチャーのしぐさや疲れなどを判断し「できる!」と判断した一瞬の隙を見て、全力で二塁へ向けて走ります。
チームだからこそ、数多くの状況判断が要求され、頭を酷使することになります。
ここでは例として野球を挙げましたが、ほかの団体競技でも同じです。
大勢の人が参加するのは、どれも頭を使います。
サッカー、バスケットボールなど、自分勝手にできないスポーツだからこそ、他者との距離感の把握がより必要です。
「チーム」だからこそ、脳を活性化せざるを得ない状況です。
だからこそ、団体競技は頭を鍛える機会です。
頭脳ゲームといえるのです。