私は以前、フィットネスクラブでウォーキングマシンを使っていた時期があります。
たまたま家から5分のところに5階立ての大型フィットネスクラブができました。
最新のトレーニングマシンに、プール・ダンスフロア、しかもお風呂とサウナまで付いています。
それが会員になれば、1日何度でも利用できます。
物珍しさも後押しして、さっそく通うことになりました。
そこで出会ったのは、最新式のウォーキングマシンでした。
スピードのコントロールはもちろんのこと、消費したカロリーや距離など多くの機能が盛り込まれています。
「これはすごいぞ。続けられそうだ」
しかし、そう思ったのもつかの間、1カ月も経たないうちにやめてしまいました。
たしかに汗はかけ、いい運動はできますが「飽き」がすぐやってきて、長続きしません。
おかしな話ですが、歩いているのに、なぜかうつらうつら眠くなります。
せっかく専用のウォーキングシューズを買っていましたが、数回使って終わりでした。
なぜ、すぐ飽きを感じやすいのか。
それは現実のウォーキングに比べると、はるかに刺激が乏しいからです。
外で歩く散歩とウォーキングマシンを使った散歩は、似て非なるものです。
風景の変化、においの変化などがなく、まさに「ただ歩いているだけ」。
私たちが普段散歩をしているときには、さまざまな刺激を受けて反応しながら歩いています。
たとえば、30分間の散歩をするとします。
外に出てから、最初に「今日はどのルートを歩いて行こうかな」と、コースを考えます。
周りの風景を楽しみながら、すれ違う人とぶつからないように気をつけたり、挨拶をしたりするでしょう。
散歩で体を動かすのは、ほんの一側面です。
意外にも、体以外の刺激を多く受けています。
私は、それからウォーキングマシンをやめて、フィットネスクラブに通うのをやめました。
代わりに、会社の行き帰りを片道1時間半かけて、歩いて通うことにしました。
そのほうが健康的です。
刺激があふれていると思ったからです。