執筆者:水口貴博

子どもの「外遊び」のすすめ

26

なぜ、ウォーキングマシンは、続きにくいのか。

なぜ、ウォーキングマシンは、続きにくいのか。 | 子どもの「外遊び」のすすめ

私は以前、フィットネスクラブでウォーキングマシンを使っていた時期があります。

たまたま家から5分のところに5階立ての大型フィットネスクラブができました。

最新のトレーニングマシンに、プール・ダンスフロア、しかもお風呂とサウナまで付いています。

それが会員になれば、1日何度でも利用できます。

物珍しさも後押しして、さっそく通うことになりました。

そこで出会ったのは、最新式のウォーキングマシンでした。

スピードのコントロールはもちろんのこと、消費したカロリーや距離など多くの機能が盛り込まれています。

「これはすごいぞ。続けられそうだ」

しかし、そう思ったのもつかの間、1カ月も経たないうちにやめてしまいました。

たしかに汗はかけ、いい運動はできますが「飽き」がすぐやってきて、長続きしません。

おかしな話ですが、歩いているのに、なぜかうつらうつら眠くなります。

せっかく専用のウォーキングシューズを買っていましたが、数回使って終わりでした。

なぜ、すぐ飽きを感じやすいのか。

それは現実のウォーキングに比べると、はるかに刺激が乏しいからです。

外で歩く散歩とウォーキングマシンを使った散歩は、似て非なるものです。

風景の変化、においの変化などがなく、まさに「ただ歩いているだけ」。

私たちが普段散歩をしているときには、さまざまな刺激を受けて反応しながら歩いています。

たとえば、30分間の散歩をするとします。

外に出てから、最初に「今日はどのルートを歩いて行こうかな」と、コースを考えます。

周りの風景を楽しみながら、すれ違う人とぶつからないように気をつけたり、挨拶をしたりするでしょう。

散歩で体を動かすのは、ほんの一側面です。

意外にも、体以外の刺激を多く受けています。

私は、それからウォーキングマシンをやめて、フィットネスクラブに通うのをやめました。

代わりに、会社の行き帰りを片道1時間半かけて、歩いて通うことにしました。

そのほうが健康的です。

刺激があふれていると思ったからです。

子どもの「外遊び」のすすめ(26)
  • 外に出て、散歩をする。
門限があるから、遊びの密度が濃くなる。

子どもの「外遊び」のすすめ

  1. 外遊びには、子どもが生きる力に必要な要素がすべて備わっている。
  2. 家の中のゲームだけでは、生きる力を身につけられない。
  3. 自信は、外で遊んでいれば、自然と身につく。
  4. とりあえず行動していれば、自然と話は広がっていく。
  5. 現代は豊かだ。
    それをわからせるには、野外キャンプの体験が一番。
  6. 進んだ現代社会だからこそ、昔の遊びを教える価値がある。
  7. 力任せでは勝てない昔のゲームでは、慣れた大人ほど有利になれる。
  8. 四季のある日本だからこそ、特に外遊びはおすすめ。
  9. なぜ大都会ほど、大自然があるのか。
  10. 自然の音を聞くと、子どもは強く育つ。
  11. 旅行が難しいなら、せめて日帰りのピクニックくらいならできるはず。
  12. 犬と散歩しているときに、口喧嘩は起こらない。
  13. 畑仕事を手伝わせると、不思議と味覚が研ぎ澄まされる。
  14. スポーツは、体の運動だけではない。
    脳の運動でもあった!
  15. 団体競技はどれも、頭を鍛える頭脳ゲームだ。
  16. 免疫力を高めるためには、清潔すぎてはいけない。
  17. 部屋の中は、刺激が限定されやすい。
  18. 「スクリーンで見る立体」と「現実世界の立体」は、脳には似て非なるもの。
  19. どんなにテレビが進化しても、現実世界の刺激にはかなわない。
  20. エアコンは、人の生活を便利にする。
    しかし、頼りすぎると不便にする。
  21. 国語の読解力は、経験が豊富なほどイメージが鮮やかになる。
  22. 体験を優先すると、必ず後で追い上げる力になる。
  23. 立って歩けるようになれば、外遊びをしてもいい時期。
  24. 子どもが泥んこになって帰ってくるのは、一生懸命に外で遊んで帰ってきた証拠。
  25. 真っ暗闇だからこそ、あらゆる怪物をイメージさせられる。
  26. なぜ、ウォーキングマシンは、続きにくいのか。
  27. 門限があるから、遊びの密度が濃くなる。
  28. 私たちには「新しい刺激に触れて、自分の領域を広げたい」という野心と冒険心が眠っている。
  29. 子どもの持ち物に名前さえ書いておけば、迷子になっても怖くない。
  30. 成長のために「遠くへ行ってみたい」と思う子ども。
    安全のために「遠くへ行くな」という親。
    この矛盾が問題だ。

同じカテゴリーの作品

関連記事

© HAPPY LIFESTYLE CORPORATION