執筆者:水口貴博

幼児がすくすく育つ30の教育方法(1歳~6歳)

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親と子とでは、見える世界が全然違う。

親と子とでは、見える世界が全然違う。 | 幼児がすくすく育つ30の教育方法(1歳~6歳)

告白します。

私はまだ分別のつかない幼いころ「ベッドは下で寝るもの」と思っていました。

「え? ベッドの下?」

水口家のベッドは少し背が高くて、ベッドの下には物が置けるような空間がありました。

「大人たちは、なぜわざわざあんな高いところで寝るのだろうか。落ちたら大変じゃないか。ベッドの下のほうが暗いし安全だ」

わざわざ高いベッドに上るより、ベッドの下で寝るほうが、子どもにとって都合がよかった。

「タカヒロ! ベッドの下で寝るのはやめなさい。ベッドの上で寝なさい」

よく親から叱られていました。

今思えば笑えるような話ですが、実際にあった話です。

幼いころ、そういうことを真剣に思っていた時期があります。

なぜ大人と子どもとで、ベッドの見方が変わるのでしょうか。

身長差が、大きいからです。

親として忘れがちなのは、子どもの低い身長です。

同じ場所に立ってはいても、身長差が全然違うので、見える世界が違います。

親は身長が高いので、ベッドの上で寝ると思います。

大人は身長が高いので、ベッドの上に乗るのも簡単です。

しかし、子どもは身長が低いので、ベッドの上が見えませんし、そもそも上るのも大変です。

「ベッドから落ちたらどうしよう。大けがをしそうだ」という不安もあります。

面倒だったり不安だったりするので、ベッドの下で寝るほうがいいと思ってしまいます。

食卓のテーブルも同じです。

大人にとって食卓のテーブルとは、食事をするところに見えます。

テーブルを上から見ることになるので、テーブルに並んでいる食事が見えることでしょう。

一方、子どもにとっては、下からテーブルを見ることになります。

テーブルの上に食事が並んでいても、わかりません。

だから、いろいろないたずらをしてしまいます。

テーブルの足を押したり引いたり、椅子を動かしたりして、遊んでしまいます。

ごみ箱も同じです。

身長の高い大人には、上からごみ箱の中がのぞけるので、一目でごみ箱だとわかります。

しかし、子どもは自分と同じくらいの身長のごみ箱を、単なる障害物だと思います。

移動させたり転がしたりして、遊んでしまいます。

なんと驚くことに、子どもはかくれんぼのとき、ごみ箱の中に入ろうとします。

大人は体が大きいので、そんなことは考えもしませんが、子どもはそういう発想をします。

では、子どもの見る世界を知るためにはどうすればいいのでしょうか。

単純なことです。

親は四つんいになりましょう。

親が子どもと同じように、視点を低くして、見える世界を確認すればいい。

ぐっと視点を低くしてみると、親は子どもの見える世界が理解できるはずです。

普段と変わらない自分の部屋が、四つん這いになるだけで、見える世界が変わります。

同じ部屋の大きさも、低い位置から見ると、妙に広い部屋だという印象を受けることでしょう。

子どもの目になって見ることができるようになるのです。

幼児がすくすく育つ教育方法(1歳~6歳)(12)
  • 四つん這いになり、子どもの視点で見える世界に気づく。
いっぱい愛情を受けた子どもほど、成長が早くなる。

幼児がすくすく育つ30の教育方法(1歳~6歳)

  1. 3つ子の魂が百まで続くのは、本当だった。
  2. 自分の子どもに向かって、笑顔で「ありがとう」と言う。
  3. いくら気になるとはいえ、他の子と比べない。
  4. 子どもは親に触れているとき、一番安心する。
  5. 子どもと話をするときには、大人が子どもの目線に合わせて話をする。
  6. 子どもの頭は、絶対に叩かない。
    叩くくらいなら、優しく手を握り締める。
  7. お風呂の温度は、大人と子どもで感じ方が違う。
  8. 子どもは、悪さをしたくて、しているのではない。
  9. 大人のスピードは、子どもには速すぎる。
  10. 「まだわかっていない」という子どもを、わかってあげる。
  11. 子どもから目を離す時間が、だんだん長くなっていませんか。
  12. 親と子とでは、見える世界が全然違う。
  13. いっぱい愛情を受けた子どもほど、成長が早くなる。
  14. 親がキレやすいと、子どももキレやすくなる。
  15. 親からたくさん話しかけられた子どもは、言語の習得が早くなる。
  16. 「悪いことをしてはいけません」という教え方だけでは、幼い子どもは納得できない。
  17. 子育てにはチームワークが必要だ。
  18. 子どもの話をたっぷり聞いてあげられる親になる。
  19. 子どもはお手伝いによって、成長する。
  20. 子どもと一緒に家事をしながら、説明したり質問したりする。
  21. 「しなさい・してはいけません」より「嬉しい・悲しい」で教育する。
  22. 子どもは子どもとして、日々学ぶ。
    親も親として、日々学ぶ。
  23. 肉声による昔話には、想像力を高める効果がある。
  24. 子どもの喧嘩は事情を聞くだけで、解決する。
  25. 子どもが甘えてこないからと言って、そっとしてほしいとは限らない。
  26. 祖父や祖母に頼ったほうが、子育ての質は格段によくなる。
  27. 子育てには休日がない。
    大変な子育てだからこそ、たまにはひと息が必要。
  28. いきなり叱ると、親の言葉が届かなくなる。
  29. 兄弟・姉妹に対して、平等に接すること。
  30. 手がかからない子になり始めたときこそ、注意せよ。

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