ある日、銭湯に行ったときのことです。
3歳くらいの小さな男の子とお父さんの2人がいました。
子どもはお父さんと一緒にお風呂に入ろうとしますが、お湯に手を入れるやいなや「熱い!」と言って嫌がっていました。
お父さんは「熱くないよ。大丈夫だよ」と言います。
しかし、子どもは熱さを嫌がって、入ろうとしません。
親は仕方なく、抱きかかえて無理やり入れようとしていました。
子どもは眉間にしわを寄せ、我慢をしながら入っている様子でした。
それを見て、私は「ちょっと違うなあ」と思いました。
大人は、あることをすっかり忘れています。
子どもの皮膚の薄さです。
そもそも大人と子どもとでは、温度の感じ方が全然違います。
大人より子どものほうが圧倒的に皮膚が薄いので、大人以上に熱く感じてしまいます。
大人にとってちょうどいいと感じる温度でも、子どもには、やけどをするような温度に感じます。
この温度の感じ方の違いに気づくことです。
これに気づかずに、無理やりお風呂に入れさせようとするから、子どもは「お風呂嫌い」になります。
お風呂に入るのが苦痛になれば、嫌がるのは当然ですね。
子どもと一緒にお風呂に入るときには、大人が感じる温度ではなく、子どもにとってちょうどいいと感じる温度にしましょう。
子どもにとってちょうどいい温度は、大人にはぬるま湯です。
「これでは、体が温まらない」と思いますが、半身浴をする気持ちになりましょう。
半身浴で、子どもとのんびりバスタイムをくつろぐくらいの余裕を持ちましょう。
子どもと一緒にお風呂の時間をゆっくり過ごすことができると、前向きに考えるくらいでいいのです。