私の妹は「管理栄養士」という仕事をしています。
老人ホームに出向いて食生活をヒアリングし、傾きがちな食生活が正常になるようバランスの取れた献立を提案し、作る仕事です。
料理ができるのはもちろん、栄養面を工夫しながら献立を作るプロです。
妹は、幼いころからよく母の料理を真似して作っていました。
私はあまり料理に興味がなかったので見ているだけでしたが、いつの間に腕を上げていたのかと驚きます。
普通の料理だけでなく、クッキーやケーキも作るのがうまく、そのままお店に置いていても不思議ではないほど上出来ぶりです。
バレンタインデーにもらったチョコレートは、買ったものなのか作ったものなのか、区別できないほどの仕上がりでした。
兄ながら、妹の料理の裁き具合には感心します。
妹の夫は「料理がうまいから結婚した」というくらいです。
妹と接していて気づくのは「とても要領がいい」ということです。
料理に限らず、行動するときは優先順位を決めて、段取りよく進めています。
妹の運転する車に乗ると、目的地までの道順をどう進めば一番いいのか、ぱっと考えます。
部屋もきれいで整っています。
兄ながら、頭がいいなと感心してしまいます。
妹は、料理から要領のよさを学びました。
料理を作るというのは、簡単に思えますが、実に難しいです。
育てた母もすごいと思います。
私たちは、母がいつも作ってくれる料理を当たり前のように口にしています。
しかし、自分が作る側になると、いかに大変なのかがわかります。
私も一人暮らしの最中に、何度も料理に挑戦したことがありました。
本当に難しく、奥が深いです。
簡単に見える料理1つを作るのに、手間と労力がかかります。
なにより「頭を使う」のです。
カレーくらい適当に作ればできるだろう、と思います。
単なるカレーでも具を入れるタイミングと量によって、出来上がりが変わってきます。
込み入った料理を作ろうとすれば、さらに大変なのでしょう。
さらに栄養面まで気を配るとなると、私には想像できない世界です。
あなたには料理の上手な友人がいますか。
料理ができる人は、頭がいい人が多いと思いませんか。
頭がいいから料理ができるのではありません。
料理をしているから、頭が鍛えられ、賢くなっていきました。
「手」でフライパンを持ち「目」で食材を捉え「耳」で調理の音を確認し「鼻」でにおいを感じ、舌で料理の味を確かめます。
これほど五感を刺激することはありません。
五感だけでなく、脳では「手順」や「タイミング」など、おいしい料理というゴールに向けて、さまざまなことを考えています。
料理を作るというプロセスは、大変な勉強になります。
自然と頭は鍛えられていくようになっています。
だから料理ができる人は、頭がいいのです。