段取りがいい人のデスクといえば整理整頓……と言いたいところですが、違います。
なぜか散らかっています。
有名な漫画家・評論家などお宅訪問で部屋をのぞくと、かなり散らかっているのが印象的です。
デスクの上にたくさん物が置かれていると、探し物が増えるため、業務効率を下げてしまいそうです。
「よくこんな散らかったデスクで仕事ができるなあ」
むしろ段取りが悪そうですね。
しかし、です。
散らかっているように見えるだけで、散らかっているわけではありません。
デスクの上に置かれているものを、よくチェックして見てみましょう。
きちんと意味があることにお気づきですか。
実は「仕事で頻繁に使う物」という共通点があります。
仕事の段取りがいい人は、仕事の無駄が少ないのが特徴です。
どの無駄を省くのかというと「頻繁に使う物の出し入れ」です。
頻繁に使うものは、あえてデスクの中に入れないほうがいい。
取り出すためにデスクの引き出しを開けたり閉めたりする手間がなくなり、効率がよくなるからです。
典型的な例は、メモ用紙です。
メモ用紙は、どの職場でも普通はデスクの上に置いていますね。
電話はいつ鳴るかわかりません。
鳴って受話器を取ったとき、すぐ用件をメモできるように準備しています。
出したままにしておけば、取り出すために引き出しを開け閉めする必要がないため、業務が早くなります。
段取りのいい人は、頻繁に使うものほどデスクの上に置いています。
よく使うボールペンや消しゴムなども出しっぱなしにしています。
職種によって頻繁に使う物は異なります。
雑誌もあるでしょうし、辞書もあるでしょう。
いずれにせよ共通することは「頻繁に使う道具はデスクの上に置いたままにする」ということです。
片付けていないわけではありません。
一見すれば、たしかに散らかっているように見えますが、散らかっているわけではありません。
いつでも仕事ができるように、きちんと体制を整えています。
片付けはできるけれど、業務効率を上げるために、あえて頻繁に使うものをデスクの上に出したままにしています。
必要になったときにすぐ取りかかれるようにスタンバイしています。
さて、余談ですが、仕事の段取りの悪い人も、デスクが散らかっているのが特徴です。
こちらの場合は、本当に散らかっているという状態です。
ただ単に片付けが面倒で整理整頓ができていないだけです。
仕事の段取りがいい人と段取りが悪い人のデスクの散らかりようは似ていますが、本質はまったく異なるのです。