いきなり知らない人に「結婚してください」と言えば、十中八九、断られます。
考えれば、当たり前のことです。
いきなり大きな要求をするのは、無理難題です。
こういうときは、まず挨拶から始め、顔見知りになります。
ある日、話しかけて友人になります。
会話を増やして親しくなれば、映画に誘ってさらに親密になります。
「付き合ってください」という告白に、OKが出ることでしょう。
その付き合いも何年か続けば「結婚してください」という要求も通りやすくなります。
「大きな要求には段階がある」ということです。
仕事でも同じです。
仕事における大きな要求も、段階があります。
いきなり大きな要求をしても、断られやすいです。
まず受け入れやすいよう、小さな要求に分けて、少しずつ進めます。
たとえば、いきなり「契約に判を押してください」と要求しても、まず断られるでしょう。
相手が誰かわからない人から、大切な契約をしようとは思いません。
まずは、クライアントと親しくなるところから始めます。
頻繁に顔を見せたり、一緒に食事をしたりなどです。
親しくなり、仕事を真面目にする人だとわかることで、小さな契約から交わし始めます。
何度か会って会話を交わして、仕事の結果を見てもらいます。
時間をかけて契約の実績を積んでいけば「この人なら大丈夫だろう」と信用され、大きな契約の話が通るようになります。
段取り上手は、階段を何段も飛ばして速く上がろうとするのではなく、一段ずつ上っていきます。
それが一番速くて、段取りがいいのです。