「私は持病があるから長生きできない」「障害があるから長生きできない」と言う人がいます。
たしかに持病や障害があると、不自由が避けられません。
通院の頻度が多くなったり、生活に制限があったりして、QOL(生活の質)が著しく低下します。
持病や障害のせいで肉体的にも精神的にも苦しめられるでしょう。
「この病気さえなければ」「この障害さえなければ」と思うこともあるはずです。
しかし、持病や障害があるからといって、長生きできないと決まったわけではありません。
こういうとき思い出してほしいのは「一病息災」という言葉です。
「1つくらい病気があるほうが健康に気を配るので、健康に自信がある人よりかえって長生きできる」という意味です。
「無病息災」をもじってできた言葉ですが、今ではすっかり市民権を得ており、主要な国語辞典に掲載されています。
それだけ実際に当てはまるケースが多いということです。
イギリスの物理学者スティーブン・ホーキングは、重い病気を抱えながらも、長生きできた人物の1人です。
21歳のとき、全身の筋肉が低下・萎縮する「ALS」と診断されました。
当初は「余命2年ほど」と言われましたが、彼は前向きに生き続け、奇跡を起こしました。
粘り強くALSと付き合い続け、彼の得意な数学で活躍しながらも、76歳まで長生きしたのです。
まさしく医学の常識を覆す例といえるでしょう。
ヘレン・ケラーは、幼いころから視覚と聴覚にハンディを抱えながらも、大きな活躍を果たしました。
視覚と聴覚がないなか、地道な学びを重ね、ラドクリフ・カレッジに入学・卒業を果たしています。
その後、著述家・教育者として活躍し、なんと87歳まで生きています。
当時の平均寿命からすると、長生きしたことになります。
生まれつき持病を抱える人もいれば、事故によって障害を負うこともあるでしょう。
持病や障害があるからといって長生きできないとは限りません。
持病も障害も性質は異なりますが、大切なのは「どれだけ健康に気を配った生活を送っているか」です。
持病や障害を恨んでいてもいいことはありません。
ますます苦しいだけで、気持ちも落ち込むばかりです。
持病や障害は、なくすことだけにこだわるより「付き合っていく」と考えたほうが、前向きになれます。
昔とは違い、現代の医学は大きく進歩しています。
持病や障害があっても、健康に気を配り、さらに医療の力も借りれば、長生きできる可能性はあります。
健康な人より長く生きた例もあります。
スティーブン・ホーキングやヘレン・ケラーのように、仕事もできるし、大きな社会貢献を果たすこともできます。
もちろん病状や経過は人それぞれですが、健康に気を配ることは大切です。
持病や障害がある人は、むしろその困難と上手に付き合うことで、一病息災を実現していきましょう。