本を読んだとき、いかに自分事として考えられるかです。
実用書やビジネス書では、著者の体験談が紹介されています。
漫画や小説では、ユニークな物語が描かれています。
著者と自分とは別々の人間です。
たどってきた人生が違います。
著者の体験談はあくまでその人の話であり、漫画や小説の物語はあくまで架空の話です。
本を読んだとき、遠い世界の話に思えたり、自分とは住む世界が違っていたりすると感じることが少なくありません。
「これはあり得ない話だね」「これは特殊な事例だね」と思う。
そんなとき「私には関係ない」と思ったら、せっかく本を読んでいる意味がありません。
参考になることがないと思って終わりです。
大切なことは、自分に当てはめて考えることです。
成長が早い人は、本を読んだとき、自分と似ているところ・重なるところを探します。
近い状況があればいいのです。
できるだけ自分と照らし合わせながら読み進めます。
少しでも自分と似ているところ・重なるところがあれば「自分のことだ」と思います。
そしてその中から、自分に起こっている問題解決のヒントを見いだします。
あるいは、たっぷり共感して、勇気をもらったり、生きる希望を得たりします。
これが自分事として捉えるということです。
たとえば、小説の物語で「試験前に一夜漬けをしたものの失敗した」というシーンがあったとします。
普通に人ごととして捉えては面白くありません。
「私も同じような経験がある。私のことだ」と思えば、その話が頭に入ってくるし、反省もできます。
つまり、積極的に自分と重なるところを探していくことです。
戦時下のウクライナでは、漫画『進撃の巨人』が人気です。
漫画の内容が、戦時下のウクライナと似ているということで、現地の人に読まれているのです。
いかに「私のことだ」と思っていけるかです。
成長が遅い人は「私のことだ」と思うことが少ないのです。
人ごとと思って本を読んでいると、自己投影もできず「私のことだ」と思うこともできません。
自分に当てはまることがあっても、気づかずスルーしてしまいます。
「これは特殊な事例だ。ちょっと私のケースと外れているね。参考にならないね」で終わりです。
自分に当てはめることなく、普通に読んで終わりでは、成長しません。
成長が早い人は、本を読んだとき、自分と似ているところ・重なるところを探します。
少しでも自分に当てはまることがあれば「私のことだ」とすぐ反応します。
「私のことだ」と思うと、自分事として捉えられるし、吸収も早くなります。
性別も年齢も住む世界も違っていてもいいのです。
本を読むときは、自分と似ているところ・重なるところを見つけることが大切なのです。