職場で「言った、言わない」の水掛け論に遭遇することがあります。
「あなたは以前○○と言いましたよね」
「いいや、そんなことは言っていない」
「いえいえ、言いましたよ。覚えていないんですか」
「言った、言わない」の水掛け論になるのは、その証拠となるものがないからです。
「いちいちメールするのは手間だなあ。文書にするのが面倒だな。これくらいなら口頭で十分だろう」
そう思い、メールや文書に残す手間を省きます。
これがよくないのです。
口頭だけで伝えるのは危険です。
口頭だけでは記憶だけに頼ることになります。
相手が知らないふりをしているとは限りません。
本当に覚えていない可能性もあります。
人間は忘れる生き物ですから、忘れることは普通にあります。
一方、自分の聞き間違いや認識の誤りという可能性もあります。
はっきり記憶にあることでも、聞き間違いや認識の誤りであれば、誤解したままになります。
どちらが悪いのか決着がつきません。
特に抽象的な指示の場合、人それぞれのイメージが異なっていて、誤解が起こりやすいところ。
そして「言った、言わない」の議論に発展し、堂々巡りになるのです。
「言った、言わない」を防ぐにはどうすればいいか。
文書なりメールなり、きちんと文字として残すことが大切です。
文字として残せば、目で見える形となり、後からチェックできます。
文字は記録として残ります。
意識的に破棄や削除をしないかぎり、どれだけ時間がたっても残り続けます。
メールならデータとなり、検索することも可能です。
仕事ではささいな指示や小さな説明などがあります。
ちょっとしたことでも文書やメールに残すことが大切です。
文字として残せば、それが証拠となり「言った、言わない」の水掛け論になることはないのです。