神社で参拝の際、ときどき拝むのが長い人を見かけることはありませんか。
「自分の場合は10秒くらいであっさり終わるのに、あの人はやけに長く拝んでいるな」
ぶつぶつ口元が動いていて、小声が聞こえてくることもあります。
中には1分以上拝み続けている人もいます。
参拝者の中にはしっかり拝んでいる人がいるものです。
「しっかり拝んでいる」
「何を拝んでいるのだろう?」
不思議に思うかもしれませんが、おかしなことではありません。
実を言うと、拝むのが長くなるのは自然なことです。
神社で神仏に拝むことは「3つ」あるからです。
「報告」「感謝」「宣誓」です。
報告・感謝・宣誓は、拝むときの基本です。
それぞれの役割についてみていきましょう。
まず自分の近状を報告します。
最近あった出来事の中から、神仏に伝えたいことを心の中で念じます。
出来事の良しあしは関係なく、印象的な出来事を報告しましょう。
「念願の内定をいただきました。ようやく就職活動が終わります」
「無事、大きな仕事を終えることができました。今はほっとしているところです」
「来年の春、結婚することになりました。相手は素晴らしい人です」
「もうすぐわが子が小学校に上がります。子どもの成長が楽しみです」
特別な出来事がなければ「おかげさまで無事平穏な日々を送っております」と伝えるといいでしょう。
感謝すべきことを思い出し、心の中で念じましょう。
「いつも見守ってくださりありがとうございます」
「素晴らしいご縁を与えていただきありがとうございます」
「希望に満ちた日々を与えていただき、ありがとうございます」
心を込めて、一言一言、じっくり感謝の言葉を述べましょう。
最後に宣誓を述べます。
「次は○○を目標として努力をしていきます」
「ご先祖様の名に恥じぬよう精進いたします」
「これからもベストを尽くしてまいります」
「○○を使命として努力を重ねていきます」
はっきり宣言して、神仏の前で誓います。
言葉を濁さず、はっきり意思を表明することが大切です。
神社で拝む際は、報告・感謝・宣誓の3つを過不足なくゆっくり落ち着いて念じましょう。
するとどうでしょう。
この3つを念じると、それなりの時間がかかるはずです。
内容によっては1分くらいかかっても不思議ではありません。
拝むのが長い参拝者は、報告・感謝・宣誓の一つ一つをじっくり丁寧に伝えています。
だから、つい拝むのが長くなってしまうのです。
神仏に向かって報告・感謝・宣誓の3つを述べると、しっかり参拝をすることができます。
報告・感謝・宣誓が大切なのは、神社の参拝だけでなく、お墓参りの際も同様です。
お墓参りで手を合わせるときも、天にいるご先祖様に向かって報告・感謝・宣誓の3つを伝えましょう。
やはり自然と時間が長くなることでしょう。
お墓参りでも長く拝んでいる人を見かけたら、報告・感謝・宣誓を述べているに違いありません。
順番は入れ替わってかまいません。
基本順は「報告→感謝→宣誓」ですが、入れ替わってもかまいません。
「感謝→報告→宣誓」「報告→宣誓→感謝」になっても、3つの過不足がなければ、きちんと拝んだことになります。
参拝やお墓参りの際は、報告・感謝・宣誓の3つをしっかり伝えるようにしましょう。
これであなたも、素晴らしい参拝者の仲間入りです。