一人暮らしを始めると、ときどき親と連絡を取り合うことになるでしょう。
実家暮らしはいつでも直接話ができましたが、一人暮らしを始めると、話す機会がぐっと減ります。
親の声を聞くとほっとするでしょう。
お互いの近状を報告しあって雑談タイムとなります。
「どれだけ遠く離れていても、親は親だな」と実感するときです。
さてこんなとき、必ずと言っていいほど、親の口から出てくるセリフがあります。
「ちゃんと食べてる?」です。
「ちゃんとご飯食べてる?」
「ちゃんと野菜食べてる?」
「ちゃんと栄養のあるもの食べてる?」
あらためて考えると、聞くまでもない質問です。
食べるのを忘れるはずがありません。
食べなければ死んでしまいます。
忘れようにも忘れないことです。
「食べているに決まっている」と当たり前の質問にあきれるところです。
「いちいちうるさいな」と思うこともあるかもしれません。
「ぼけちゃったのかな?」と、むしろ親のほうを心配するかもしれません。
しかし、親はふざけて聞いているわけではありません。
あなたを困らせるわけでもなければ、ぼけたわけでもありません。
なぜ親は「ちゃんと食べてる?」とわかりきったことを聞いてくるのか。
それは、あなたのことが心配でたまらないからです。
親は、離れたところで暮らすあなたが心配です。
子どものことを愛しているからこそ、当たり前のことでも口うるさく言ってしまいます。
当たり前の質問ですが、そんな当たり前のことを聞いてしまうくらい、親としてはわが子のことを深く案じているのです。
あなたも親の立場になり、一人暮らしをしているわが子に電話をすることがあれば、きっと同じセリフを口にするでしょう。
「ちゃんと食べてる?」と。
聞くまでもない当たり前の質問を、つい聞いてしまうはずです。
以前親が口にしていたセリフを、自分も同じように口にするのです。
親の当たり前の質問にあきれたりむっとしたりするかもしれませんが、ここは素直な返事が一番です。
「ちゃんと食べているよ」と答えましょう。
普通に答えれば、親も安心します。
もう少し具体的に答えると、安心させることができます。
「昨日の夜は○○を食べて、今日の朝は○○を食べた」
「毎日、卵を使った食事を心がけているよ」
「外食をするときは、いつも野菜を注文しているよ」
具体的な答え方をすれば、親も安心します。
親の一言にきちんと耳を傾けてください。
注意喚起として素直に受け止め、あらためて日々の食事内容を振り返ってみましょう。
親からの一言にはっとして、過食・小食・偏食に気づかされることもあるでしょう。
野菜を食べていても、不定期だったりちょっと偏りがあったりすれば、きちんとバランスのよい食事を心がけます。
親からの注意喚起はありがたく頂戴しましょう。