海の映像には「誘眠効果」があります。
自然系の映画やテレビ番組では、ときどき海の映像が流れることがあります。
果てしなく広がる海だったり、穏やかな海中の光景だったりです。
心地よい波の音、魚たちが泳ぐ様子、青々としたきれいな水色。
きれいな青が画面いっぱいに広がると、心が癒されていきますね。
自分が魚になって、海の中を泳いでいるような気分になるものです。
さて、しばらくすると、私たちは「ある魔法」にかかることになります。
心地よい眠気が襲ってくるのです。
次第にうとうとしていき、自然とまぶたが下がっていくでしょう。
だんだん眠くなってきて意識がなくなってくる……。
睡眠のスイッチが入ったかのようです。
昼間であっても、海の映像を見ているとだんだん眠くなってしまうから不思議です。
自分でもどうしたものかと思ってしまいます。
そんな不思議な経験があるのではないでしょうか。
なぜ海を見ると眠くなるのか。
それは、お母さんのおなかの中にいたころを思い出すからです。
私たちの記憶は、生まれたときから始まるのではありません。
お母さんのおなかの中にいるころから始まります。
自分では覚えていなくても、脳の奥深くではきちんと覚えています。
心地よい海の映像を見ていると、お母さんの胎内にいたころの記憶がよみがえってきます。
羊水の中にぷかぷか浮かんで、心地よく眠っていたころを思い出します。
無意識のうちに「そういえばこんな感じだったよね」と思い出し、自然な眠気が襲ってきます。
覚えていないようで、きちんと覚えているのですね。
自分が生まれた場所を思い出すことで心地よい眠りに誘われます。
お母さんの胎内の環境は、海の環境とそっくりです。
海のことを「母なる海」と呼ぶことがありますが、まさにそのとおりです。
私たちにとって海は原点です。
心地よい海の映像を見ながら、お母さんのおなかにいたころを思い出してください。
たっぷり癒やされてください。
ああ、なんて心地よいのでしょう。
無理に逆らわず、自然のままに受け入れてみましょう。
そこにはあなたの原点があります。
私たちの血の中にも「海」が存在しているのです。