ぶつぶつ独り言を言う人に出会うことがあります。
誰かに向けて、小声でぼそぼそしゃべっています。
ぶつぶつ独り言を言う人がいると、一瞬「自分に話しかけられているのかな」と思って気になります。
気が散ったりうるさく感じたりして、迷惑を感じる人もいるでしょう。
ここで1つ気づいてほしいことがあります。
なぜその人は、ぶつぶつ独り言を言うのでしょうか。
独り言とはいえ「発声」です。
声を出すには、口周りの筋肉を動かす必要があり、楽なことではありません。
独り言とはいえ、あまり長時間続くと、カラオケ並みに疲れます。
なぜぶつぶつ独り言を言わなければいけないのか。
独り言を言う人には、次の2つの事情があると考えられます。
あなたが独り言を言うときの状況を思い出してください。
声に出すと頭に入りやすいため、積極的に声を出しながら勉強した経験があるでしょう。
自分が発した声を、自分の耳で聞くことになるため「エコーの作用」によって記憶力を高める効果があります。
ぶつぶつ独り言を言う人も、同じです。
年齢を重ねていき、だんだん物覚えが悪くなりつつある日、声を出すと頭に残りやすいことに気づいた。
少しでも物覚えを改善しようと独り言を言っているうちに、だんだん日常的になっていく。
その結果、独り言が癖になってしまうことがあります。
つまり「物覚えを改善したい」という意図がある可能性があります。
別の事情として考えられるのは「寂しさを紛らわせたい」という意図です。
話し相手がいなくて寂しいとき、独り言を言うと、少し寂しさの感覚が紛れます。
声を出すと、自分の声を自分が聞くことになり、恐怖感も紛れ、心が楽になります。
寂しさとはいえ、ストレスの一種です。
もともと話をするのが好きなら、話し相手がいなくても、ストレスの発散も兼ねて独り言を言うことがあります。
結果として、独り言を言うのが癖になった可能性があります。
ぶつぶつ独り言を言う人は、どちらかの事情、もしくは両方の事情があると考えられます。
周りの人に迷惑をかけようとして、わざわざ独り言を言う人はいません。
もちろん周りへの配慮は少し欠けているかもしれませんが、悪気がないのでしょう。
つまり、独り言を言う人も「それなりの事情」があるのです。
ぶつぶつ独り言を言う人がいれば、その人が独り言を言うようになった事情について考えてみてください。
うるさい声にいらいらするかもしれませんが、心を大きくするためにも、一度冷静になって考えてみる価値はあります。
その人なりに、きっと何らかの事情があるのでしょう。
事情を察すれば、ぶつぶつ独り言を言う人に対して優しい気持ちになれます。