人生では「前進」と「後退」を繰り返すことがあります。
進めた仕事の一部が、ある事情のため、ダメになることがあります。
効果がなかったり、不採用になったり、やり直しになったりです。
いわゆる「3歩進んで2歩下がる」という状態です。
「3歩進んで2歩下がる」という言葉は、ネガティブな意味で使われることが一般的です。
「無駄が生じている」「ほとんど元に戻っている」といった否定的なニュアンスがあります。
実際のところ、仕事で3歩進んで2歩下がる状態が生じると、問題視されることが少なくありません。
無駄が生じていて、うまく効率化されていないため、改善が必要であるように思われます。
手間暇をかけた仕事の一部がダメになるのは、悔しいものです。
非効率で、スピードが遅く、手間暇がかかります。
「こんなに無駄が多いのではやっていられない」
不満が生じたり気力を失ったりすることが多いのではないでしょうか。
「3歩進んで2歩下がる」という仕事は失敗に思うかもしれませんが、本当にそうでしょうか。
ここで気づいてほしい大切なポイントがあります。
ほとんど元に戻っているとはいえ、完全に戻っているわけではありません。
3歩進んで2歩下がっても、結果として1歩の前進になっています。
この貴重な1歩を大事にしてください。
たった1歩とはいえ、前進は前進です。
「3歩進んで2歩下がる」という仕事を軽視しないことです。
3歩進んで2歩下がることを否定していると行動しなくなり、結局1歩も進めなくなります。
「3歩進んで2歩下がる」でいいのです。
そこにあるのは、立派な1歩。
きちんと前に進めているのですから、紛れもない前進です。
「3歩進んで2歩下がる」を10回繰り返せば、10歩進めることになります。
仕事の進みは遅くなりますが、着実に前に進めます。
「仕事が遅い」と考えるのではなく「仕事が着実に進んでいる」と考えましょう。
「無駄が多い」というデメリットに思えますが、考え方によっては「場数を増やせる」というメリットにもなるでしょう。
素晴らしい偉業も偉大な研究成果も、3歩進んで2歩下がることの繰り返しです。
特に研究分野では、実験と検証の繰り返しになるため「3歩進んで2歩下がることの連続」と言っても過言ではありません。
その回数は、百や千どころではなく、万を超えることも少なくありません。
3歩進んで2歩下がることを繰り返しながら少しずつ前進していき、最終的に大きな成果・偉大な結果を達成します。
3歩進んで2歩下がることを受け入れて、こつこつ前に進んでいきましょう。