私たち人間に品性があるのは、羞恥心があるおかげです。
「恥ずかしい」と感じる気持ちは、品性になくてはならない心。
うっかりマナー違反をしたとき「恥ずかしい」と思うから、次から注意ができます。
自分の不注意で人に迷惑をかけてしまったとき「申し訳ない」と思うから、反省できます。
恥ずかしい経験をしたくないので、きちんと反省して、改善を心がけようとします。
羞恥心があれば、マナー違反や迷惑をかけることはあっても、少しずつ礼儀作法を身につけ、品性を向上させていけます。
羞恥心がなくなると、野生の猿と同じになります。
照れも恥じらいもなく、野蛮な行為のオンパレードになるでしょう。
野生の猿になりたくなければ、羞恥心を大切にすること。
品性を大事にしたいなら、羞恥心を大事にすることが欠かせません。
羞恥心があるおかげで「恥ずかしくない生き方をしよう」と思えます。
結果として、立派な大人・社会人になっていけるのです。
しかし、羞恥心よりもっと大事な心があります。
自尊心なのです。
つまり、自信・プライド・自己肯定感です。
羞恥心と自尊心は、それぞれ逆の意味なので、両方を大事にするのは矛盾に思えますが、役割が違います。
自分に自信を持つことは、堂々とした態度や言葉遣いにつながります。
自然と胸を張って生きることができるようになります。
自尊心があれば、難しいことも「何とかなるだろう」と思え、自分にも人生にも明るい気持ちになれます。
仕事に対するプライドも大切です。
「絶対手を抜かない」「最高のものに仕上げる」「必ず最後までやり遂げる」といったプライドは、仕事の要です。
仕事のプライドがあるから責任感が生まれ、立派に仕事をまっとうできます。
役割が異なるため、羞恥心と自尊心はどちらも大切ですが、比重が異なります。
人は、羞恥心がなくなっても生きていけますが、自尊心がないと生きていけなくなります。
自尊心がなくなると、自分が嫌いになり、あらゆることが怖くなり、何も行動できなくなるからです。
自尊心がマイナスになると、人生のすべてに絶望して、自ら命を絶ってしまう可能性すらあります。
したがって、羞恥心も大切ですが、自尊心はもっと大事ということになります。
羞恥心を大事にしつつも、自尊心はもっと大事にしてください。