「先入観があってはいけない」
「先入観のない人はすごい」
「先入観のない人を尊敬する」
私たちは先入観のない人を、素晴らしいと褒めたたえます。
たしかに過度の先入観は邪魔になります。
先入観は生活に役立つ面もありますが、偏ったり固定化したりすると、かえって快適な生活を妨げます。
誤った情報ばかり吸収していると、偏見になります。
偏見にとらわれると、正しい現実を認識できなくなり、誤解や差別を生む原因になります。
先入観を持ったまま時間が経過すると、固定観念になります。
いったん固定観念が形成されると、後から正しい情報に触れても、修正が難しくなります。
先入観や思い込みが激しいと、新しい挑戦を妨げたり、行動力を失わせたりします。
余計な不安や恐怖をかき立て、焦りや緊張を生み出します。
被害妄想を生んで、つまらないトラブルを引き起こすことも少なくありません。
そのため、できるだけ先入観や思い込みはなくしていくことが大切です。
しかし、ここに誤解があります。
先入観のない人が素晴らしいのではありません。
先入観をなくしていこうとする人が素晴らしいのです。
そもそも先入観は誰にでもあるもの。
初めて知った情報なら、それを手がかりにして物事を考えたり決めたりするのは普通です。
大切なのは、先入観ができてから、どうするかです。
現実では先入観があっても、そのままにする人が大勢います。
「仕方ない」「どうでもいい」「そのままでよい」と軽視して、改善の努力を怠っている人が大勢います。
そもそも自分の先入観に気づこうとしない人もいます。
「自分は正しい」という思い込みがあると、先入観があってもなかなか気づけません。
そんな中、あなたはきちんと自分の先入観に気づき、なくしていこうと努めています。
だから素晴らしいのです。
先入観をなくせるかは今後の努力次第ですが、ひとまずスタートは順調です。
後はその調子で少しずつ先入観をなくしていけばいいのです。
正しい取り組みを続けていれば、ゆくゆく偏見や固定観念もなくしていけます。
先入観をなくしていこうとする自分を誇りに思うことが大切です。