就職活動の採用率を上げる言葉として、学生の間で有名なセリフがあります。
「御社しか受けていません」という一言です。
この一言を言えば面接官を驚かせることができるとして、学生の間ではひそかに広まっているようです。
第1志望である意味を伝えると同時に、不採用にさせない心理的圧力も与えることができる言葉だからです。
たしかに大きな覚悟を決めて、面接に挑んでいることがわかる言葉です。
だからといって、おすすめできる言葉かというと、それも違います。
やはり安易な使用には、注意が必要です。
まず、きわめて狭い就職活動をしていることがわかります。
第1志望である様子はよく伝わりますが、後先を考えていない印象も与えるでしょう。
就職活動は一般的に、さまざまな企業を平行しながら進めます。
いろいろな企業を回っている様子は、精力的・積極的であることもわかります。
また、印象もよくありません。
「不採用にさせないぞ」と脅されているようにも聞こえるため、面接官はしこりが残るでしょう。
また「不採用にすると、逆恨みされるのではないか」と不安になる場合もあるはずです。
企業が求めている人材は、幅広い視野を持ち、失敗しつつもくじけずに努力を継続できる学生です。
そうした印象を伝えるためにも「御社しか受けていません」という一言は、便利でも、禁句にしたほうが賢明です。