執筆者:水口貴博

子どもに礼儀と行儀をしつける30の方法

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親が子どもから感謝されるのは、ずっと後になってから。

親が子どもから感謝されるのは、ずっと後になってから。 | 子どもに礼儀と行儀をしつける30の方法

行儀が何かをまだ理解していないのに「行儀よくしましょう」というのは、難しいことです。

すでに物心がついている年ごろなら「行儀よくしましょう」という言い方も通じることでしょう。

しかし、まだ右も左もわかっていない幼い子どもは、まだ行儀なるものを理解できません。

親が「行儀よくしましょう」という言葉から「それはいいことなのだな」とはなんとなく理解します。

ですが「これが行儀だ」というのはよくわかっていない。

子どもに「行儀」についてしつけるときは、難しい理屈は抜きで結構です。

「人と会ったら挨拶をする」「脱いだ靴はそろえる」など、こういうときはそういうことをするものだと教えます。

理屈抜きで「行儀のいい動き」を教え、当たり前だと思うようになるため、周りからは「行儀がいいね」と言われるようになります。

本人は行儀を理解していなくても、自然と行儀のいい行動を実行できるようになります。

さて、ここですべての親が経験するであろう問題が発生します。

しつけることは、見方を変えれば、子どもを型にはめることにもなります。

子どもとしては、自由活発に動き回りたいところです。

行儀というのは、言い換えれば「動きの制限」です。

靴を脱いだら、そのままほったらかしにするほうが楽です。

しかし、行儀を意識すると、わざわざ足を止め、かがんで靴を揃えなければなりません。

「きちんと靴を揃えましょう」という親が、うるさく感じる。

幼い子どもは、親に対して「しつけてくれてありがとう」とは言いません。

言うはずがありません。

「いちいちうるさいなあ」と、歯向かいます。

親があれやこれやと口うるさいので、子どもは親からのしつけが、口うるさく感じます。

まだこの時期は、子どもは行儀を理解できていないので、当然素晴らしさも理解できていない。

なぜ親はこんな面倒なことばかりを教えるのかと思います。

親は、子どもから嫌われるのを覚悟することです。

感謝されないのも当然です。

親は、初めから感謝を求めてはいけません。

いえ、感謝されるどころか、子どもからうるさく言われるので、煙たがられるはずです。

そういうものです。

子どもは成長して、多くの友人ができ、多くの刺激を吸収し成長することでしょう。

そんな多くの出会いの中、自分と他人との行動を比べたとき「おや?」と思うようになります。

自分が当たり前だと思っている行動と、そうでない行動との違いが見えてくるようになります。

自分は靴を脱いだら揃えるのが当たり前だと思っているのに、ほかの人はそうしない場面を目にするでしょう。

そのとき「靴を揃えていると気持ちいいな」と実感できます。

自分が当たり前だと思っている行動は、ほかの人と比べると、マナーがあるのだと気づき始めます。

そのときです。

ようやく、子どもは「なるほど。これが行儀なのか」と理解できます。

自分と他人の習慣を比べ「行儀の善しあし」を、直感的に理解するようになります。

親から素晴らしいしつけを施されていたことに気づき、親に感謝するようになります。

しつけで、親が子どもから感謝されるのは、ずっと後になってからです。

一転して、口うるさかった親を急に感謝するようになります。

それまで、しばらく時間がかかります。

そのときまで、親は嫌われ続けるのが宿命なのです。

子どもに礼儀と行儀をしつける方法(7)
  • 親ははじめ、子どもから嫌われることを覚悟する。
ご近所から褒められた経験が、子どもの意識を変える。

子どもに礼儀と行儀をしつける30の方法

  1. 幼いときに身につけた習慣は、大人になってからも変わりにくい。
  2. 「お行儀よくしましょう」という言い方では、子どもは行儀よく行動できない。
  3. 子どもに、礼儀や行儀を教えるなら、10歳までの時期が大切。
  4. 初めは、礼儀や行儀の理屈を抜きにしつけてもいい。
  5. そもそも礼儀や行儀は「頭」で覚えるのではなく「体」で覚えるもの。
  6. 子どもが100点や1等賞を取ったときも喜ぶ。
    取れなくても喜ぶ。
  7. 親が子どもから感謝されるのは、ずっと後になってから。
  8. ご近所から褒められた経験が、子どもの意識を変える。
  9. 正義のために生きるヒーロー番組は、子どもの礼儀や行儀に好影響を与える。
  10. 子どもが駄々をこねても気軽に応じないほど、精神的に強くなる。
  11. お金や物質などのご褒美を与えればいいわけではない。
    子どもが一番見たいのは、親が喜ぶ姿。
  12. 親が喜び上手なら、子どもは自然と努力をする。
  13. お小遣いを無条件に与えていると、子どもの金銭感覚は養われない。
  14. きちんとしたしつけのためには「優しさ」と「厳しさ」両方の教育方法が必要。
  15. 優しさと厳しさは、偏りすぎてはいけない。
    バランスが大切。
  16. 子どもから尊敬されるという願いは、今のところ、捨てておいたほうがいい。
  17. 子どもにプラス発想を教えるには、親がプラス発想をするだけでいい。
  18. 子どもにとって、学生服を着ることほど難しいことはない。
  19. 子どもが心を開くかどうかは、親の聞き方しだい。
  20. 無駄をしないのは、最も無駄。
  21. 挨拶をしないのは、れっきとした無視行為。
  22. 子どもの言葉に耳を傾ければ、自然と素直になる。
  23. 親は、子どもの勇気を出す手助けをするだけでいい。
  24. 成功であれ失敗であろうと、勇気を出して行動すれば、褒めることができる。
  25. 夫が仕事に精を出せば出すほど、発生しやすい矛盾点がある。
  26. 「親は何のために働いているのか」を、きちんと子どもに話す。
  27. 子どもが何かに熱中し始めたら、とことん熱中させてあげること。
  28. 親になった今だからこそ、マナー教室に通う価値がある。
  29. 親が子どもに対して礼儀がないと、子も親に対して礼儀がなくなる。
  30. しつけは「従順期」「反抗期」「反省期」の3段階を経る。

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