執筆者:水口貴博

不況を乗り切る経営者の30の心得

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無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社ほど、不況時にあえぐ。

無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社ほど、不況時にあえぐ。 | 不況を乗り切る経営者の30の心得

不況がやってきたときに、大打撃を受ける会社には共通点があります。

無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社です。

無理な買わせ方とは、人間心理を利用して、騙せるような買わせ方のことを言います。

「期間限定」

「今だけ半額セール」

「3つ買えば、1つサービス」

「先着30名限り」

こうした心理テクニックは山ほどあります。

これまでとにかく売り上げを伸ばすためなら手段を選びませんでした。

売り上げの数字ばかりに目を向けて、あらゆる心理テクニックを巧みに利用し、消費を上げていた。

もちろんそれも売り上げを伸ばす方法の1つです。

巧みな心理テクニックを利用して売り上げを伸ばすのは、どこの店舗でもやっている手段の1つになっています。

しかし、よくありません。

本当にお客さまの立場になっていないからです。

お客さまに喜んでいただけることではなく、いかに売り上げを伸ばすかに重点を置いています。

そういう人間心理で騙すような方法で購入させた場合、購入後「役立たない。買って損した」と目が覚めてしまいます。

好況では、お客さんも経済的に余裕があるため、強引な方法でも売り上げを伸ばせるかもしれません。

「損はしたけど、まあいいか」と思う人が多い。

しかし、不況になれば一転します。

不況のときは、人々の節約意識が強くなり、会社をより慎重に選ぶようになります。

衝動買いが少なくなり、1つ購入するにも時間をかけます。

人間心理を巧みに利用して売り上げを伸ばそうとしても、慎重になった人々は、偽のサービスに騙されにくくなります。

また、万が一騙されたとすれば、お客さまは激怒します。

「客をなめるな!」

激しいクレームを突きつけます。

その結果、売り上げ重視の会社は「あそこの会社はサービスが悪い」と言って、客離れが加速します。

好況時に通用したやり方では、不況時には裏目に出ます。

そもそもお客さまを無視した売り方が、根本的に間違っています。

お客さまを無視し、売り上げ重視で経営をした会社が、不況のときにあえぐのです。

不況を乗り切る経営者の心得(25)
  • お客さまの視点で、考える。
本当にお客さまの役に立ち、喜ばれている会社に、不況は関係ない。

不況を乗り切る経営者の30の心得

  1. 大不況こそ、企業の害毒を一掃する最高の機会。
  2. 経済を変えようとするのではなく、会社内部を変える。
  3. 過去の成功にしがみついている企業は、一瞬で不況の波に飲み込まれる。
  4. 不況に合わせて事業内容を変えることが、一番の不況対策。
  5. 給料が上がらないのは「期待を超える仕事」をしていないから。
  6. 「国や政府が助けてくれる」という期待は捨てる。
  7. 不況時、本物は生き残り、偽物は消えていく。
  8. 楽をして成長を急ごうとする企業は、不況にもろい。
  9. 時間のかかった成長ほど、不況に強くなる。
  10. 手抜きをしがち見えない部分を、あらためて強化しよう。
  11. 「強い者、頭の良い者が生き残るのではない。
    変化するものが生き残るのだ」
  12. もたもた始める改善は、思ったほど不況対策にはならない。
  13. コンコルドの失敗には、不況を乗り切る教訓が隠されている。
  14. 社員が陰で会社の悪口を言っているところは、倒産しやすい。
  15. いくら不況でも、お客さまへのサービスは手を抜かない。
  16. 不況を乗り切るには、お客さまへのサービスを強化・充実させればいい。
  17. 不況のときこそ、海外旅行へ行け!
  18. 「辞めたい」という社員を、無理に引き止めない。
  19. 不況の突破口は、お客さまからのクレームだった。
  20. 大不況のときこそ、社長は一番元気でいなければいけない。
  21. 頑張った人を表彰するイベントを、定期的に設ける。
  22. 現金をもらって、嬉しくない人はいない。
  23. 「不況」「不景気」という言葉は、禁句にする。
  24. お金に余裕がないとき、判断力は著しく低下する。
  25. 無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社ほど、不況時にあえぐ。
  26. 本当にお客さまの役に立ち、喜ばれている会社に、不況は関係ない。
  27. 調子が悪いときほど「夜遅く」ではなく「朝早く」。
  28. 希望退職者を募集すれば、穏便に人の削減が可能になる。
  29. いきなり人を切らない。
    「ワークシェアリング」と「教育」で乗り切れ!
  30. 不況とは、忘れかけていた何かを思い出させてくれる時期。

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