執筆者:水口貴博

不況を乗り切る経営者の30の心得

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不況を乗り切るには、お客さまへのサービスを強化・充実させればいい。

不況を乗り切るには、お客さまへのサービスを強化・充実させればいい。 | 不況を乗り切る経営者の30の心得

不況になれば、コストカットはどこも同じです。

そのコストカットにはしていい部分と、してはいけない部分があります。

まずは社内で使われていない部分や減らしてもいい部分などを見つけて、カットするのは正解です。

しかし、コストカットの矛先を間違えて、お客さまに触れる部分を削ってしまう企業があります。

  • 展示会で来客に対する飲み物の提供まで取りやめる
  • サポートの範囲を急に縮小する
  • 営業時間を短縮する

お客さまが直接目にしたり手にしたりするサービス部分は、削りたくても削ってはいけないところです。

企業イメージが低下するからです。

では、不況を乗り越えるためにどうするか。

来客に対するサービスをやめるのではなく、むしろ増やせばいい。

強化したり、充実したり、拡大させます。

普通に考えれば、減らすところを増やすと、お客さまは驚きます。

「お客を大事にする会社だ」

「資金面で充実しているのだろう」

「なんとサービスが充実しているな。購入してからも、充実したサポートが受けられそう」

「まだまだこの会社は長くやっていきそうだ」

たとえ会社の経営が危うくても、そういう強気の姿勢を見せます。

ささいなことですが、そういうところを来客は感じ取ります。

やはりサービスが拡大、充実していると「景気がいいな」と思います。

そういう勘違いを抱かせるための作戦です。

お客さまからの購入が増えることでしょう。

サービスがいいとお客さま同士の評判がよくなり、口コミも広がりやすくなります。

社内をコストカットする一方で、お客さまが見える部分や触れる部分はいつも以上にお金をかける。

これが不況を乗り切るコツです。

事実、そのやり方で大成功を収めた企業があります。

大手ファストフード店、マクドナルドです。

2009年、100年に一度の大不況といわれる中、マクドナルドは営業時間が24時間の店舗を増やしました。

それだけではなく、無線LANサービスの拡大。

ついには、コーヒーの無料サービスを始めました。

コーヒーが無料です。

手ぶらで行って、コーヒーが飲めます。

「全然儲からないぞ。なぜだろう。でも嬉しい! すごい、すごい!」

結構インパクトがあります。

実際、来客は急増し、事実ファストフード店の中では最も売り上げを伸ばしていきました。

素晴らしい不況対策です。

お客さまが触れる部分は、どんなに不況でもコストカットどころか、お金をかけるのです。

不況を乗り切る経営者の心得(16)
  • 不況のときこそ、お客さまへのサービスをむしろ強化・充実させる。
不況のときこそ、海外旅行へ行け!

不況を乗り切る経営者の30の心得

  1. 大不況こそ、企業の害毒を一掃する最高の機会。
  2. 経済を変えようとするのではなく、会社内部を変える。
  3. 過去の成功にしがみついている企業は、一瞬で不況の波に飲み込まれる。
  4. 不況に合わせて事業内容を変えることが、一番の不況対策。
  5. 給料が上がらないのは「期待を超える仕事」をしていないから。
  6. 「国や政府が助けてくれる」という期待は捨てる。
  7. 不況時、本物は生き残り、偽物は消えていく。
  8. 楽をして成長を急ごうとする企業は、不況にもろい。
  9. 時間のかかった成長ほど、不況に強くなる。
  10. 手抜きをしがち見えない部分を、あらためて強化しよう。
  11. 「強い者、頭の良い者が生き残るのではない。
    変化するものが生き残るのだ」
  12. もたもた始める改善は、思ったほど不況対策にはならない。
  13. コンコルドの失敗には、不況を乗り切る教訓が隠されている。
  14. 社員が陰で会社の悪口を言っているところは、倒産しやすい。
  15. いくら不況でも、お客さまへのサービスは手を抜かない。
  16. 不況を乗り切るには、お客さまへのサービスを強化・充実させればいい。
  17. 不況のときこそ、海外旅行へ行け!
  18. 「辞めたい」という社員を、無理に引き止めない。
  19. 不況の突破口は、お客さまからのクレームだった。
  20. 大不況のときこそ、社長は一番元気でいなければいけない。
  21. 頑張った人を表彰するイベントを、定期的に設ける。
  22. 現金をもらって、嬉しくない人はいない。
  23. 「不況」「不景気」という言葉は、禁句にする。
  24. お金に余裕がないとき、判断力は著しく低下する。
  25. 無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社ほど、不況時にあえぐ。
  26. 本当にお客さまの役に立ち、喜ばれている会社に、不況は関係ない。
  27. 調子が悪いときほど「夜遅く」ではなく「朝早く」。
  28. 希望退職者を募集すれば、穏便に人の削減が可能になる。
  29. いきなり人を切らない。
    「ワークシェアリング」と「教育」で乗り切れ!
  30. 不況とは、忘れかけていた何かを思い出させてくれる時期。

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