経営術

不況を乗り切る経営者の
30の心得

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もたもた始める改善は、
思ったほど不況対策にはならない。

もたもた始める改善は、思ったほど不況対策にはならない。 | 不況を乗り切る経営者の30の心得

不況には「コスト削減」という話が必ず出てきます。

経済が傾く噂を耳にすると、社員大勢が集まり、会議を開きます。

「そろそろコスト削減が必要かな」という話が、ちらほら出始めます。

不況が始まれば、また会議を開いて「どこか削れる部分はないか」とようやく重い腰を上げます。

みんな、あまり変化をしたくないし、痛みを感じたくない。

お互いの顔色をうかがいながら、無難な改善案を挙げます。

 

しかし、不況は進みます。

さらに不況が進むようならば「もっと削ろう、さらに削ろう」とまた会議を開きます。

その間に、小さな改善が繰り返され、小さな痛みを味わうことになりますが、なかなか立ち直るまでにはいかない。

ついに不況が深刻になったとき、腹を決めます。

「このままではいけない。改革を起こそう」

大胆で新しいやり方を決意します。

「それは無理だろう」という意見が出ますが、不況だからという理由で仕方なく進めます。

「数回の改善の後、最後に改革」という流れです。

自然な流れですが、ちょっと待ってください。

段階を踏んで、少しずつコストを下げていくのは、実は一番効率の悪い方法です。

実は一番痛みが大きいパターンであり、最も効果の小さなパターンです。

「小さな痛みを数回した後、激痛」という流れは、合計すると一番痛みを長く強く感じてしまう。

しかも不況の段階に合わせて、少しずつ進めるコストカットは、効果も小さい。

時間もかかり、遅いです。

いい改善案が出ても、実施が遅ければ、効果も小さくなります。

もたもた始める改善は、思ったほど不況対策にはなりません。

 

では、不況に強くなるためにはどうするか。

不況が近づいているとわかった段階で、いきなり大きなコスト削減に踏み切ります。

初めから「改善」ではなく、いきなり「改革」から始めます。

開く会議も、会議は必要最低限に抑えます。

コスト削減の目標も、5パーセントや10パーセントではなく、いきなり50パーセントでいきます。

100万円かかるものを、50万円でできないか、という発想です。

頭のねじが1つ飛ぶくらいではいけない。

ねじが2つも3つも飛んだやり方のほうが、痛みは大きいですが、一度で済みます。

これまでのやり方を大胆に変えようという発想、それを実行しようとする行動力が出てきます。

根本的にシステムを見直す必要が出てきて、これが生き残る力になります。

大胆な決断は大きな痛みが伴いますが、痛いのは最初だけであり、一度だけです。

何度も小さな痛みを繰り返す「改善」より、一度の大きな痛みで済ませる「改革」のほうが、実は総合的な痛みが小さいのです。

不況を乗り切る経営者の心得(12)
  • 小さな痛みを繰り返す「改善」より、一度の大きな痛みで済ませる「改革」をする。
コンコルドの失敗には、不況を乗り切る教訓が隠されている。

もくじ
不況を乗り切る経営者の30の心得
もたもた始める改善は、思ったほど不況対策にはならない。 | 不況を乗り切る経営者の30の心得

  1. 大不況こそ、企業の害毒を一掃する最高の機会。
    大不況こそ、企業の害毒を一掃する最高の機会。
  2. 経済を変えようとするのではなく、会社内部を変える。
    経済を変えようとするのではなく、会社内部を変える。
  3. 過去の成功にしがみついている企業は、一瞬で不況の波に飲み込まれる。
    過去の成功にしがみついている企業は、一瞬で不況の波に飲み込まれる。
  4. 不況に合わせて事業内容を変えることが、一番の不況対策。
    不況に合わせて事業内容を変えることが、一番の不況対策。
  5. 給料が上がらないのは「期待を超える仕事」をしていないから。
    給料が上がらないのは「期待を超える仕事」をしていないから。
  6. 「国や政府が助けてくれる」という期待は捨てる。
    「国や政府が助けてくれる」という期待は捨てる。
  7. 不況時、本物は生き残り、偽物は消えていく。
    不況時、本物は生き残り、偽物は消えていく。
  8. 楽をして成長を急ごうとする企業は、不況にもろい。
    楽をして成長を急ごうとする企業は、不況にもろい。
  9. 時間のかかった成長ほど、不況に強くなる。
    時間のかかった成長ほど、不況に強くなる。
  10. 手抜きをしがち見えない部分を、あらためて強化しよう。
    手抜きをしがち見えない部分を、あらためて強化しよう。
  11. 「強い者、頭の良い者が生き残るのではない。<br>変化するものが生き残るのだ」
    「強い者、頭の良い者が生き残るのではない。
    変化するものが生き残るのだ」
  12. もたもた始める改善は、思ったほど不況対策にはならない。
    もたもた始める改善は、思ったほど不況対策にはならない。
  13. コンコルドの失敗には、不況を乗り切る教訓が隠されている。
    コンコルドの失敗には、不況を乗り切る教訓が隠されている。
  14. 社員が陰で会社の悪口を言っているところは、倒産しやすい。
    社員が陰で会社の悪口を言っているところは、倒産しやすい。
  15. いくら不況でも、お客様へのサービスは手を抜かない。
    いくら不況でも、お客様へのサービスは手を抜かない。
  16. 不況を乗り切るには、お客様へのサービスを強化・充実させればいい。
    不況を乗り切るには、お客様へのサービスを強化・充実させればいい。
  17. 不況のときこそ、海外旅行へ行け!
    不況のときこそ、海外旅行へ行け!
  18. 「辞めたい」という社員を、無理に引き止めない。
    「辞めたい」という社員を、無理に引き止めない。
  19. 不況の突破口は、お客様からのクレームだった。
    不況の突破口は、お客様からのクレームだった。
  20. 大不況のときこそ、社長は一番元気でいなければいけない。
    大不況のときこそ、社長は一番元気でいなければいけない。
  21. 頑張った人を表彰するイベントを、定期的に設ける。
    頑張った人を表彰するイベントを、定期的に設ける。
  22. 現金をもらって、嬉しくない人はいない。
    現金をもらって、嬉しくない人はいない。
  23. 「不況」「不景気」という言葉は、禁句にする。
    「不況」「不景気」という言葉は、禁句にする。
  24. お金に余裕がないとき、判断力は著しく低下する。
    お金に余裕がないとき、判断力は著しく低下する。
  25. 無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社ほど、不況時にあえぐ。
    無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社ほど、不況時にあえぐ。
  26. 本当にお客様の役に立ち、喜ばれている会社に、不況は関係ない。
    本当にお客様の役に立ち、喜ばれている会社に、不況は関係ない。
  27. 調子が悪いときほど「夜遅く」ではなく「朝早く」。
    調子が悪いときほど「夜遅く」ではなく「朝早く」。
  28. 希望退職者を募集すれば、穏便に人の削減が可能になる。
    希望退職者を募集すれば、穏便に人の削減が可能になる。
  29. いきなり人を切らない。<br>「ワークシェアリング」と「教育」で乗り切れ!
    いきなり人を切らない。
    「ワークシェアリング」と「教育」で乗り切れ!
  30. 不況とは、忘れかけていた何かを思い出させてくれる時期。
    不況とは、忘れかけていた何かを思い出させてくれる時期。

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