人目を気にする人間には「中流意識」がどこかにあります。
「松竹梅」と3段階のメニューがあれば、最初は中間の「竹」を選びたがろうとします。
低いランクの梅を選ぶと「安っぽく見られるな。貧乏だと思われたくない」という意識が働きます。
高いランクの松を選ぶと「高級そう。贅沢すぎないか」という意識が働きます。
低級すぎても高級すぎても、心理的に不安があります。
そこで、中間に当たる「竹」を選びます。
もちろん常連客やすべての人がこの限りではありません。
しかし、この傾向は世界のどこでも強く見られます。
人目を気にする人間は、無難に「普通」を選ぼうとします。
商売をしているあなたは、竹ばかりが売れるのでは、梅と松が売れ残ります。
売れる商品の偏りがあれば、在庫処分にも困ります。
いくら竹だけが売れているとはいえ、高ランクの松にも手を付けてもらいたいと思います。
松のような高品質を、多くのお客さまにも体験していただきたいと思うこともあるでしょう。
松の売り上げを伸ばしたいときに、いい方法があります。
やってくるお客さんの心理を利用します。
「普通が好き」という心理があれば、さらに高ランクである「特上」を作ればいい。
「特上」を作ることで、天井が高くなり、松が普通域の中に入ります。
一番上が、松から特上に変わることで、松を選ぶ抵抗が小さくなります。
むしろ、松も普通だと思い、より多く売れます。
人を相手にしている商売ですから、常に人の心を読んで商売に生かしましょう。
人の心理を読める人が、売り上げをアップさせることができるのです。