執筆者:水口貴博

不況を乗り切る経営者の30の心得

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社員が陰で会社の悪口を言っているところは、倒産しやすい。

社員が陰で会社の悪口を言っているところは、倒産しやすい。 | 不況を乗り切る経営者の30の心得

ある日、カフェでコーヒーを飲んでいると、若い女性2人が真横のテーブルに座りました。

ふと隣の人の会話が耳に入ってきました。

「久しぶりだね。元気していた。最近どうしている?」

休日、久しぶりに友人と会い、お互いの近状を伝え合っている様子でした。

聞こうと思って聞いているわけではありませんが、真横で話をされると、耳に入ります。

初めはたわいない光景と、ありきたりな会話でした。

しかし、途中からだんだん話がそれて行き始めました。

「うちの上司が無能で困っているんだ」

「社員への教育が全然なってなくて育っていない」

「うちの会社、経営状態がひどいよ」

隣で聞いていて「おいおい。この会社は大丈夫か」と思いました。

そもそも会社の外で会社のことを口にするのは、よくないことです。

外部の人に会社の内部情報を漏らしているようなものです。

外で会社のことを話すのはよくないとわかっているのでしょうが、愛社精神が低下しているので、うっかり忘れているのでしょう。

なにより、彼女が会社内部の情報を口外している時点で「社員への教育がなっていない」というのが信用できました。

彼女が会社内部の話をためらいもなく外で話すくらいですから、彼女のいう「教育が全然なっていない」は本当なのでしょう。

彼女以外にもその会社に勤めているほかの社員が、各地で会社の悪評をばらまいていると思うとぞっとします。

そういう状況が、すでに会社の危うさを物語ります。

私はその会社の経営状況はまったく知りませんが、そういう会話を耳にすると、会社の内部が見えてきます。

案外、そういう本音は、会社の中では聞けません。

会社では人間関係を重視しているため、言いたいことがあっても、言いにくい雰囲気があります。

社内では言いたいことは言えず、外に出たとき、吐き出してしまう。

会社内の状態は、社員が口にする言葉でわかるのです。

不況を乗り切る経営者の心得(14)
  • 会社の外で聞く本音に、耳を傾ける。
いくら不況でも、お客さまへのサービスは手を抜かない。

不況を乗り切る経営者の30の心得

  1. 大不況こそ、企業の害毒を一掃する最高の機会。
  2. 経済を変えようとするのではなく、会社内部を変える。
  3. 過去の成功にしがみついている企業は、一瞬で不況の波に飲み込まれる。
  4. 不況に合わせて事業内容を変えることが、一番の不況対策。
  5. 給料が上がらないのは「期待を超える仕事」をしていないから。
  6. 「国や政府が助けてくれる」という期待は捨てる。
  7. 不況時、本物は生き残り、偽物は消えていく。
  8. 楽をして成長を急ごうとする企業は、不況にもろい。
  9. 時間のかかった成長ほど、不況に強くなる。
  10. 手抜きをしがち見えない部分を、あらためて強化しよう。
  11. 「強い者、頭の良い者が生き残るのではない。
    変化するものが生き残るのだ」
  12. もたもた始める改善は、思ったほど不況対策にはならない。
  13. コンコルドの失敗には、不況を乗り切る教訓が隠されている。
  14. 社員が陰で会社の悪口を言っているところは、倒産しやすい。
  15. いくら不況でも、お客さまへのサービスは手を抜かない。
  16. 不況を乗り切るには、お客さまへのサービスを強化・充実させればいい。
  17. 不況のときこそ、海外旅行へ行け!
  18. 「辞めたい」という社員を、無理に引き止めない。
  19. 不況の突破口は、お客さまからのクレームだった。
  20. 大不況のときこそ、社長は一番元気でいなければいけない。
  21. 頑張った人を表彰するイベントを、定期的に設ける。
  22. 現金をもらって、嬉しくない人はいない。
  23. 「不況」「不景気」という言葉は、禁句にする。
  24. お金に余裕がないとき、判断力は著しく低下する。
  25. 無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社ほど、不況時にあえぐ。
  26. 本当にお客さまの役に立ち、喜ばれている会社に、不況は関係ない。
  27. 調子が悪いときほど「夜遅く」ではなく「朝早く」。
  28. 希望退職者を募集すれば、穏便に人の削減が可能になる。
  29. いきなり人を切らない。
    「ワークシェアリング」と「教育」で乗り切れ!
  30. 不況とは、忘れかけていた何かを思い出させてくれる時期。

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