「成長は早いほうが良い」というのが一般的な考えです。
試験勉強であれば、暗記も理解も、できるだけ早いほうが良いでしょう。
試験日というゴールがあります。
期日がある以上、もたもたしていられません。
限られた期間で成果を出すためにも、効率よく勉強する必要があり、スタートも早いほうが良いと思われます。
しかし、この「成長は早いほうが良い」という考え方は、あくまで学生時代の受験の話です。
大人の習い事は違います。
大人の習い事は、試験のような期限がありません。
いつまでも続けられます。
その気になれば、一生かけて取り組むことも可能です。
大人の習い事では「成長は早ければ良い」という考え方は通用しません。
そもそも続けるスパンが長いのです。
期限を決めず長く取り組めるのはもちろん、ライフワークにすることもできるのですから、急ぐ必要はまったくないのです。
ストイックに取り組むのも自由ですが、のんびり取り組むのも自由です。
成長は遅くてもいいのです。
むしろ遅いほうがいいのです。
遅い分だけ、長い期間「伸びている感覚」を楽しめるからです。
できないことがたくさんあるなら「伸びしろがたくさんある」と考えましょう。
先を急ぐウサギになるのではなく、ゆっくり着実に進むカメになることです。
成長が遅いからといって自分を責める必要はありません。
自分を責めてしまうと、せっかくの楽しい習い事がつらくなってしまいます。
小さなことでもいいので、成長できたことに目を向けてください。
「今日はこれができたね」「少し前進できたね」ということが1つでもあれば十分です。
たとえ1ミリの成長であっても、確かな成長があります。
小さな積み重ねもあります。
「今日はこれができた」と笑顔になれることは、次のモチベーションにもつながるのです。
少し不器用な人でも、スローペースを好む人でも、どうか安心してください。
成長が遅い分だけ、わくわくしている感覚を長く楽しめます。
「成長が遅い分だけ伸びている感覚を楽しめるね。習い事も長く楽しめる。ラッキーだね」と考えましょう。
自分のペースを尊重して、不器用な自分もゆっくりな自分も受け入れてください。
成長が遅いことは、幸せなことなのです。