飲み会の誘いがあったとき、よく聞かれるセリフがあります。
「行けたら行く」というセリフです。
「今度の金曜に飲み会があるんだけど来る?」
「今週末、○○でパーティーがあるんだけど、来る?」
そう言って誘うと「行けたら行くね」と返ってくることがあります。
「行けたら行く」は「行きません」の婉曲表現であることが少なくありません。
遠回しに断りの意味を伝える、定番のフレーズです。
それを理解していれば「ああ、なるほど。行かないということなんだね」とぴんときます。
社会人にとって、ある種の暗黙の了解となっている言い回しです。
あなたも一度は言われたことがあるのではないでしょうか。
「行けたら行く」という表現は、もどかしく感じられる人もいるでしょう。
「はっきり言ってほしい」と思う人もいるはずです。
しかし「行けたら行く」と言う人にも、それなりの理由があるのです。
1つ目の理由は「可能性を残しておきたいから」です。
「行かない」と断言すると、100パーセント行かないことを宣言することになります。
つまり、完全に可能性を閉ざすことになるのです。
これが不都合になるときもあります。
後から予定が変わって、行けるようになるかもしれません。
後から気が変わって行きたくなることもあるでしょう。
「行かない」と明言しておきながら、後から参加すれば「なんで来たの?」という視線を浴びかねません。
だからこそ「行けたら行く」と言い方をすることで、ゼロではない可能性を残しつつ、柔らかく前向きに意思を表現しているのです。
2つ目の理由は「相手を傷つけないため」です。
否定的な言い方は、悪気はなくても、相手にきつく響いたり、がっかりさせてしまったりすることがあります。
断る場面では、特にきつく聞こえがちです。
できるだけ相手を傷つけないよう、丁寧な表現で穏便に断りたいと思います。
そこで「行けたら行く」という肯定表現を使うことで、前向きな響きを残しつつ、やんわりと断る意味を含んでいるのです。
「行けたら行く」は、相手への配慮や優しさがにじむ言い方なのです。
もちろん結婚式のような、出欠を明確にする必要がある場では、曖昧な言い方は避けるべきです。
ですが、途中参加が可能な飲み会やパーティーといった気楽な集まりであれば、あまり堅苦しく考えなくてもいいのです。
「行けたら行く」と言う人の心理を想像すると、優しい気持ちになれるのです。