私は2025年4月25日、国宝「曜変天目」を鑑賞するため、静嘉堂文庫美術館に行ってきました。
一度本物を直接見てみたかったのです。
曜変天目とは天目茶碗の一種であり、簡単に言うと、抹茶を飲むための茶道具で、いわゆる茶碗です。
ただし、ただの茶碗ではありません。
天目茶碗は特に格式の高いものとされ、なかでも曜変天目は最上級です。
茶碗全体に漆黒色のうわぐすりが分厚くかかっています。
内側には瑠璃色に輝く光彩と、青銀色の星のような斑文が点在しています。
その様子から曜変天目は「茶碗の中の小宇宙」という呼ばれ方もしています。
曜変天目は、人工的に再現するのが難しく、偶然生まれたものとされています。
曜変天目は世界で3つしかありません。
その3つとも日本にあり、3つとも国宝です。
その1つが静嘉堂文庫美術館に所蔵されています。
前々から存在は知っていて、写真では何度も拝見したことがありましたが、どうしても自分の目で直接見たかったのです。
感想から言うと「本当に素晴らしい」の一言でした。
国宝ということもあり、曜変天目の鑑賞のため、専用の一部屋が設けられていました。
おかげでじっくり集中して鑑賞できたのです。
まさしく眼福。
期待を超える美しさにしばし心を奪われました。
「神秘的な輝き」という言葉がこれほどぴったりのものはありません。
絵画や彫刻でもそうですが、本物を見ることが大切です。
本物の魅力は、どれだけ言葉を尽くそうと、どれだけ美しい写真であろうと、伝わりません。
「百聞は一見にしかず」という言葉もありますが、まさに言い得て妙。
本物の素晴らしさは、やはり直接自分の目で見ることで伝わってきます。
曜変天目はほかにも2つあり、大阪の藤田美術館と、京都の大徳寺龍光院にも所蔵されているとのこと。
私はますます興味が湧いて、ほかの2つも見たくなりました。
ぜひ本物を見る機会を作ってください。
素晴らしい体験をするためにも、素晴らしい感動をするためにもです。
本物を見るためには、時間もお金も労力もかかりますが、それだけかける価値があります。
世界的に高く評価されている、有名なものであるなら、なおさらです。
一生忘れられない思い出にもなるのです。