「時間を増やす方法は何でしょうか」
そう聞くと、多くの人が「仕事のスピードを上げること」と答えます。
たしかにスピードを上げれば、それだけ早く仕事が終わって、空いた時間が生まれます。
2倍のスピードでやれば、仕事がいつもの半分の時間で済むことになり、大幅な時間の節約になるでしょう。
現代はスピード社会であり「速くすることは良いこと」という風潮があります。
もちろんスピードを上げることも大事ですが「時間を増やす」という点では、ここに思わぬ落とし穴が潜んでいます。
やみくもにスピードを上げると、不注意によるミスやトラブルが起こりやすくなるのです。
車の運転をイメージするとわかりやすくなります。
車のスピードが速くなれば、それだけ目的地に早く到着しますが、スピードの出し過ぎは事故につながります。
安全確認よりもハンドル操作が優先され、十分な確認がしにくくなり、重大事故の原因となるのです。
ひとたび事故が起これば、完全にストップすることになります。
これは仕事でも同じことです。
スピードばかりに意識を向けていると、不注意によるミスやトラブルが発生しやすくなります。
修正ややり直しといった余計な仕事が増え、右往左往することになる。
反省文や始末書を書かされることもあるでしょう。
かえって時間を取られることになり、本末転倒になってしまうのです。
では、時間を増やす一番の基本は何か。
無駄な仕事を減らすことなのです。
これが最も即効性があり、なによりシンプルです。
仕事能力の低い人であっても、無駄な仕事を減らせば、すぐ時間が増えるのです。
自分の仕事を振り返ってみましょう。
知らず知らずのうちに無駄な仕事を抱えていないでしょうか。
不必要な資料作成、意味の感じられない会議、誰も読まない資料の作成、慣習で続いているだけの非生産的なルーティンワーク……。
よくよく冷静に考えてみると「なぜこれをしているのだろうか」と疑問に感じる仕事があるのではないでしょうか。
無駄な仕事はやめしまえばいい。
やめることには勇気がいりますが、時間を増やすためには必要な施策です。
無駄な仕事をやめれば、一気の時間が増えます。
仕事がなくなることで、疲れやストレスからも解放され、心身の負担も大きく軽減されます。
時間を増やす一番の基本は、仕事のスピードを上げることより、無駄な仕事を減らすことなのです。