自分と他人を比較したとき、ほとんど差がないはずなのに、不思議と相手のほうが良く見えることがあります。
自分のバッグより、他人のバッグのほうが、良いものに見えることがあるでしょう。
自分がいる環境より、他人がいる環境のほうが、快適に見えることがあるでしょう。
ほとんど差がないはずなのに、なぜか他人のほうが良く見えてしまうことがあるものです。
いわゆる「隣の芝生は青い」です。
他人のものは何でも良く見えるものですが、実際のところほとんどが「錯覚」です。
相手の持ち物や環境を羨ましく思い、苦労して同じものを手に入れても、さほど変わらないことに気づきます。
「おかしいな。あのときはたしかに素晴らしく見えたはずなのに」
「いいな」「羨ましい」と思っていても、同じものを手に入れたとたん、何でもなくなります。
夢から覚めたような感覚を覚え、首をかしげてしまいます。
「あのときは良く見えていたはずなのに、思っていたほどではなかった。余計なことをしなければ良かった」
時間・お金・労力など、そこに費やしたリソースを悔やむことになるのです。
隣の芝生が青く見えたら、こうつぶやいてください。
「いつものこと。単なる心の錯覚」と。
他人のものは何でも良く見える現象は、私たちに備わった心の癖です。
これをなくすことはできません。
他人のほうが良さそうに見えることがあれば、一度冷静になって、心の錯覚に惑わされないようにしてください。
わずかな差を美化しているだけです。
隣の芝生が青く見えるのは、一時的な心の錯覚にすぎません。
じっくり見てみると、ほぼ同じであり、ほとんど差がないことに気づくはずです。
他人のものが羨ましく見えたら「いつものこと。単なる心の錯覚」とつぶやいて、目を覚ましましょう。
はっと我に返り、余計なことをしなくて済みます。
「隣の芝生は青く見える」という心理現象をわかっていれば、いざその状況になっても、振り回されなくなります。