自分より不幸な人を見て、安心感を覚えることはありませんか。
「人の不幸は蜜の味」という言葉があります。
「あの人に比べれば、まだ私は大丈夫」と、ほっとするところがあるでしょう。
時には癒やしの感覚すら覚えることもあるはずです。
たしかに人の不幸には、癒やしや安心の効果があるのも事実です。
こうした喜びのことを心理学では「シャーデンフロイデ」と言い、多くの人が持ち合わせている心理的習性の1つです。
しかし、お世辞にもよい趣味とは言えません。
自分より不幸な人を見て安心したところで、有益なことや建設的なことがあるわけではありません。
一時的な安心感が得られる程度であり、人生が好転するわけでもありません。
なにより注意したいのは、癖になりやすいことです。
自分より不幸な人を見て安心することには、強い中毒性があります。
何度も繰り返していると「自分より不幸な人はいないだろうか」といつもきょろきょろ探すことが癖になります。
エスカレートすると「不幸な人探し」という悪趣味ができてしまいます。
たしかに安心感は得られるでしょうが、だからといって素晴らしいとは言いがたい習慣です。
ここで大切なことがあります。
自分より不幸な人を見て安心する暇があれば、その時間や労力を別のことに向けましょう。
すなわち、自分より努力している人を見るのです。
世の中には自分よりもはるかに努力している人がいます。
しかも大勢いるものです。
自分より努力している人を見ていると、やる気・元気・勇気といったパワーをもらえるでしょう。
「地道な努力ですごい!」と尊敬の念が湧きます。
「こうしてはいられない! 見習わなければいけない! 自分も頑張ろう!」という気持ちになります。
体がむずむずしてきて、自分もチャレンジしたくなります。
人の不幸を見て安心するくらいな、自分より努力している人を見てパワーをもらうほうがはるかに健全です。
劣等感を覚えることもあるかもしれませんが、そうした感情には流されず、素直に相手の努力を認めることが大切です。
あなたの周囲に努力家はいませんか。
もしいるなら、その人からパワーをもらいましょう。
身近にいなくても心配は不要です。
知り合いである必要はなく、面識の人であってもかまいません。
棋士、作家、芸術家、ミュージシャン、俳優、アイドル、芸能タレント、スポーツ選手、上場企業の社長。
メディアを通して活躍する人を知ることがあるでしょう。
自分より努力している人を見てパワーをもらったら、その勢いで行動です。