作品の価値を高めるには、工夫を加えることが大切です。
初期の作品は未熟であるため、工夫を加えることで価値を高めていきます。
見やすくする、わかりやすくする、使いやすくする、面白くする、かわいくする、美しくする。
工夫の凝った作品は、特徴が強調され、魅力が高まります。
完成度も高くなり、注目度も上がるでしょう。
では、とにかく要素を加えればいいかというと、そうではありません。
「最適化」という観点から考えると、加えることが向上につながるとは限りません。
時には「削ること」が、完成度を高めることもあります。
作品への情熱が熱くなりすぎると「とにかく加えさえすればいい」と狭い発想に陥っていることが少なくありません。
貼り絵のように加えることで形作ることもあれば、彫刻のように削ることで形作ることもあります。
「多すぎる」
「目立ちすぎる」
「邪魔になる」
「不快感がある」
「複雑でわかりにくい」
そうしたところがあれば、あえて削ってみましょう。
見やすくなったり、わかりやすくなったり、使いやすくなったりします。
作品の内容によっては、シンプルがふさわしい場合があります。
「シンプル・イズ・ベスト」という言葉があるように、削ることで洗練されていくことが少なくありません。
削っていくにつれて、作品がシンプルになっていき、修正や応用がしやすくなります。
「削るのは嫌だ。そのままにしておきたい」
抵抗感を覚えるかもしれませんが、ためらっていると最適化ができません。
目指すのは、あくまで「最適化」です。
加えようとしている要素は、本当に工夫に値することなのか、検討する価値があります。
最適化というゴールに向かって、加えるだけでなく、削ることも考慮してください。
「必要ない」と思えば、思い切って削ってしまいましょう。
自分の感性を大切にしましょう。
違和感を覚えたことは、おおむね正解です。
いらないものは、取っ払ったほうが、すっきりします。
潔く削る勇気が、作品の完成度を高めるのです。