「当社では、理系の知識が生かしにくいかもしれませんが、よろしいですか」
「文系の勉強で通じない業務が多いかもしれません。大丈夫ですか」
大学と志望企業の分野が異なるとき、面接で問われやすい質問です。
たとえば、理系出身の学生が文系企業に入社しようとしたり、その逆であったりです。
この質問の意図は、学生が抱くイメージと、入社後の現実にずれがないかの確認です。
大学と志望企業の分野が異なれば、やはり生かしにくい知識や技能は増えるでしょう。
この点を覚悟していないと、入社後、思い描いていたイメージと異なる状況に直面します。
応募者は、大きな失望感を抱き、仕事を辞めやすくなるのです。
こうした状況を防ぐため、面接の段階で理解や覚悟を確認する狙いがあります。
注意点があります。
面接官からの質問で、初めて気づいたような驚く反応をすると、企業研究をしていないのかと判断されます。
承知している様子を見せ、落ち着いて十分理解している旨を説明しましょう。
答え方のポイントは、生かせない点ではなく、生かせる点に注目することです。
文系の知識でも、理系に生かせる点があります。
たとえば、論理的な思考力は、理系の仕事にも生かせるでしょう。
完全に生かせないと考えるのではなく、生かせる点に焦点を当てると、うまく答えやすくなります。
別のアプローチとして、人間性をアピールするのも得策です。
文系企業・理系企業に関係なく、どんな企業でも人間性は重要要素です。
文系・理系の系統は違っても、共通点でアピールすれば、合理的な説明がしやすくなり、面接官を納得させられるでしょう。
文系の知識が生かしにくい状況は、承知しています。
しかし、文系で培った論理的思考は、御社の営業の分野で生かせると考えております。
たとえば、筋道を考えて仕事を対応したり、仕事の優先順位を冷静に考えたりなどです。
また、アルバイトで培った精神力やコミュニケーション能力も、仕事をするときの土台として生かせると考えております。