なぜ、筆記試験が存在するのか。
シンプルですが、深い質問です。
偏差値の高い大学なら、その大学に通う学生も、すべて優秀であるはずです。
難しい入試を突破したからこそ、その大学に通っていると考えられます。
わざわざ筆記試験をしなくても、大学の偏差値で判断してもいいと思う人もいるのではないでしょうか。
実は、ここに秘密が隠されています。
たとえば、有名私立大学の場合、すべての学生が筆記試験を突破して入学したとは限りません。
推薦入試・AO入試・一芸入試などで入学した学生も含まれています。
推薦・AO・一芸などで入学した学生を合わせると、入学者全体の3分の1に及ぶことも珍しくありません。
場合によっては、入学者全体の半数にわたる大学もあります。
また、一般の大学入試を突破して入学した学生であっても、在学中に勉強をサボった人もいるでしょう。
こうした状況があるため「偏差値の高い大学だから学生も優れている」とは、もはや言えなくなっているのです。
そこで企業は、筆記試験を実施します。
就職活動における筆記試験は「優秀な人を見つける」より「問題のある人を落とす」に、重点が置かれるのが特徴です。
大学名や偏差値に惑わされず、応募者の本当の学力を確かめるため、わざわざ筆記試験を実施するのです。