敏感肌と乾燥肌。
定義のうえでは、別々の肌の状態です。
しかし、呼び方の違いはあれ、敏感肌と乾燥肌は深いつながりがあります。
敏感肌の人のほとんどは、乾燥肌です。
それは、敏感になったから、肌が乾燥しているのではありません。
肌が乾燥したから、敏感にもなっているケースがほとんどです。
乾燥肌が悪化すると、敏感肌にもなってしまう悪循環があります。
どういうメカニズムでしょうか。
肌の状態を、レンガの壁に例えると、わかりやすくなります。
レンガの壁を想像しましょう。
レンガだけで高く積み上げることはできても、ささいな雨風が加わると、ずれたり落ちたりします。
そうならないよう、通常、レンガとレンガの間には「しっくい」で埋められて、固定されています。
しっくいがあるおかげで、強い雨風が吹いても崩れない、丈夫なレンガの壁が出来上がるのです。
肌は、この状態に似ています。
レンガの一つ一つは、肌の「角質細胞」です。
レンガの間で埋め尽くされているしっくいは「細胞間脂質」にあたります。
細胞間脂質があるからこそ、細胞同士はしっかり固定され、丈夫な肌が出来上がります。
しかし、乾燥肌は、少し違います。
乾燥肌とは、しっくいにあたる細胞間脂質が少ない状態です。
そのため、外部からちょっとした刺激が加わると、レンガが崩れ落ちやすくなる。
つまり、角質が剥がれ落ちやすくなるのです。
さあ、こうなると大変です。
角質の膜が薄くなることで、外からの刺激に大変敏感になります。
敏感になるから、また余計に角質が剥がれ落ちやすくなる悪循環になるのです。
こうしたメカニズムによって、乾燥肌は悪化して角質層が薄くなると、敏感肌になります。
乾燥肌は、敏感肌にもなりうるリスクがあります。
乾燥肌は、常に十二分な保湿を心がけましょう。
保湿はすべての人に大切ですが、乾燥肌はとりわけ重視が必要なのです。