日本人同士の間で「箸の使い方が上手だね」という話題はめったに上がりません。
誰もが使えて当然、使えこなせて当然だからです。
箸を使うとき、もはや体の一部になっているはずです。
私がアメリカ留学中もそうでした。
アメリカ人と食事をしていると、ナイフとフォークの使い方について話は出ません。
使えて当然、使えこなせて当然だからです。
カトラリーを使うとき、もはや体の一部になっているため、自由自在に使いこなせていました。
まったくの日常です。
別に大したことではありません。
それこそ「完全にマナーが身についている」という証拠です。
逆に言うと「マナー、マナー」と言っているのは、まだ慣れていない証拠です。
意識をしている時点で、マスターはできていません。
本当に極めると、意識しなくなります。
勝手に体が動き始めます。
テーブルマナーは、最終的に体で覚えるものです。
人が両足で歩くとき、左右の足は複雑な動きをしていますが、動きを体が覚えているため、意識しないのと同じです。
テーブルマナーを十分身につけたとき、考えもしなくなるのです。
あなたはどうでしょうか。
「意識をしなくなった」
そう思えているかどうかを、テーブルマナーが身についているかどうかの1つの判断基準にしましょう。