「なぜこんなルールがあるの。何のためにあるの。面倒だ」
テーブルマナーについて、最初から「意味がない。面倒くさいだけ」と、けちをつける人がいます。
たしかにテーブルマナーを知らなくても、食事をすることはできます。
適当な使い方でも、食べようと思えば食べられる。
できることなら、楽な方法で食事をしたい。
しかし、テーブルマナーの意味を、最初から求めないでほしいのです。
テーブルマナーの素晴らしさは、最初の段階で理解できません。
身につけていないのに、どう素晴らしさを理解できるのでしょうか。
「最初は、まったく意味が理解できない」
あらゆる勉強は、そういうものです。
学校で歴史の重要性は、学んでいるとき「何の意味があるの?」と思います。
しかし、社会人になってから重要性に気づきます。
日々、テレビやニュースで流れる事件は「歴史の延長」もしくは「歴史の繰り返し」である、と気づくのです。
すると、現代社会をもっと知るために、過去を学びたくなる。
同じ過ちを繰り返さないために、歴史を参考にしたくなる。
歴史は勉強してから、意味がわかります。
意味がわかると、もっと学びたくなる、というサイクルです。
マナーの勉強も、最初は愚直に学びます。
しばらくすれば「ああ。なるほど」と、察する瞬間があるはずです。
意味は後からわかります。
学んでいくにつれて視野が広がり、意味が感じられるようになります。
テーブルマナーを身につけた効果は、タイムラグがあるのです。