薄暗い夕暮れ時、犬と一緒に散歩していると、ときどき光り輝く犬の目を目撃することはありませんか。
きらりと目が光り、目の中に電球があるようです。
初めて見るとぞっとします。
いつもは優しい表情の犬が、夜に近づくにつれ、悪魔の使いにでも変身したかのように見えます。
心配ご無用です。
決して、犬が悪魔の使いに変身したわけではありません。
犬の目が光るのは、実は特殊な目の作りになっているからです。
そもそも犬は「視力が悪くても暗闇には強い」という特徴があります。
猫も同じです。
犬も猫も、祖先はもともとは夜行性だったためです。
そのため、光の小さな暗闇でも見えるように、目の作りが少し特殊になっています。
わかりやすくいえば、反射鏡です。
目の奥に「タペタム(輝膜)」という反射鏡の役割を持つ膜があります。
この光を反射する膜があるおかげで、目の水晶体の中で小さな光が大きな光へと増幅され、暗闇でも見えるようになっています。
このとき、たまたま人と犬との目が合うと、犬の目が光っているように見えるだけです。
夜中に犬と散歩をすると、暗くて危ないと懸念する飼い主もいますが、心配するほどではないようです。
たとえ夜でも、わずかな月の光さえあれば、十分見えているはずです。
犬と夜中に散歩しても、きちんと道がよく見えていますし、ぶつからずに歩くはずです。
むしろ人間のほうが、うっかり電柱に頭をぶつけるということもしばしば。
夜は、犬の得意な世界なのです。