室内で犬を飼っていて、なかなか犬が糞をしてくれないときがあります。
「おなかの調子が悪いのかな。犬にも便秘があるのかな」
しかし、糞をした跡がトイレシートに残っていたり、糞のようなにおいはしていたりする。
「おかしいなあ」
しばらく様子を見てみると、口の周りに糞がべっとり。
犬が糞を食べてしまいました。
自分で食べていたから、見当たらなかっただけでした。
こうした状況を直接目撃すれば、大きなショックを受けることでしょう。
また、散歩をしていると、ほかの犬がした糞を見かけ「われ先に」と言わんばかりに食べようとすることもあるでしょう。
人間で言えば、自分のした糞を自分から積極的に食べようとする状況は、万が一にもあり得ません。
私の場合、最初犬がぼけてしまったのかと思いました。
かわいがっている愛犬が、なぜそんなことをするのか。
実は「食糞」といわれる行動です。
犬以外の肉食動物でも、比較的よく見られる行動です。
実は、この行動の理由は、厳密にはまだ解明されていません。
しかし、現在最も有力とされるのは「栄養の再吸収」があります。
野生のころは、常に飢餓と隣り合わせの生活でした。
犬は、肉食であまり噛まずに飲み込むスタイルです。
それは野生生活であるゆえに、のんびり食べる暇はないからです。
少しでも速く食べるために飲み込むスタイルでした。
飲み込んでしまうため、胃や腸で十分に消化しきれない場合があります。
そのため、糞として排出されても、タンパク質やカルシウムなどの栄養分がまだ残っている場合が多い。
自分の糞に残っている栄養分を、再吸収するために食べようとする行動といわれています。
また、単に「遊び半分」という説もあるようです。
糞といえば、強いにおいが特徴です。
その強いにおいに興味を引かれ、遊び半分で口にしている場合もあるようです。
リードにつながれて動きが制限されていると、ほかにすることなく「暇だから糞でも食べるか」と思っているようです。
人間には「くさい」というにおいですが、犬にはいい香りと感じているのかもしれません。
いずれにせよ、いくら自分から糞を進んで食べようとするのは健康的ではありません。
ほうっておくと習慣になり、糞を食べるのが癖になります。
では、どうすればいいのでしょうか。
まず犬が糞を食べようとすれば、飼い主はすぐ犬の糞を処理して隠すようにしましょう。
また、食べようとすれば、犬のリードを引っ張って「ダメ」と強く叱ります。
すぐやめてくれればいいですが、なかなかやめようとしない場合もあります。
できるようになるまで、飼い主は根気よく続けていくことです。