夫婦の関係が悪化する際に、よく見られるのが「考え方の違い」です。
頭の固い人は「二者択一の選択」を好みます。
Aなのか、Bなのか。
白なのか、黒なのか。
できるのか、できないのか。
そういうはっきりした答えを求めたがります。
数学のように、はっきりした答えが出ることを好む人がいるのもたしかです。
そういう考え方が悪いと言っているのではありません。
そういう考え方を、相手に押し付けるのがよくありません。
自分が二者択一で物事を考える性格だから、相手にも二者択一で物事を考えるような注文を押し付けようとします。
もし、夫がはっきりした考えの性格で、妻が曖昧な答えを求める性格の場合なら、お互いの考え方ですれ違います。
はっきり物事を考える性格は「はっきりしているほうが楽だから」と言います。
矛盾しているようですが、二者択一で考えるのは楽である一方、ストレスにもなります。
夫婦生活には、はっきりした答えが出せないことがあります。
白でもない、黒でもない、灰色の答えです。
夫は、妻の誕生日にほしいプレゼントを尋ねます。
「何色の服が好きか?」と尋ねたとき「気分によって使い分けている」と曖昧な答えが返ってくることがあるでしょう。
「今日の調子はどう」と言えば「いいと言えばいいし、悪いと言えば悪い」という曖昧な返事をすることもあるでしょう。
はっきりした答えを求める人の場合、この返事にいらいらを感じてしまいます。
しかし、ちょっと待ってください。
実は大きな誤解を抱いています。
曖昧な表現でも、実ははっきり答えています。
「何色の服が好きか?」と尋ねたとき「気分によって使い分けている」というのは、曖昧な答えではなく、事実そうです。
色は気分によって使い分けているというはっきりした答えを言っています。
「今日の調子はどう」と尋ねたときです。
「いいと言えばいいし、悪いと言えば悪い」という曖昧な返事でも、その人なりに、はっきり答えています。
それはつまり「自分でもよくわからない」ということです。
自分でもわからないことは、誰にでもあるはずです。
曖昧な表現だからとはいえ、考え方も曖昧ではありません。
実のところ、素直でストレートに表現している。
曖昧に思えますが、曖昧ではありません。
「はっきり言ってくれ!」
曖昧な表現を使って、はっきり答えています。
それに気づいてほしい。
お互いに、もやもやした気持ちを残すことがなくなります。
曖昧な表現から、はっきりした答えを感じ取りましょう。
これは練習です。