往々にして夫は、妻の仕事を軽くみてしまいがちです。
「洗濯なんて、洗濯機に洗濯物を押し込んで、スイッチを入れるだけだろう」
「適当に食事を作るくらい、誰でもできるだろう」
「家で掃除や洗濯をしているくらいだろう」
客観的に見ると、たしかに夫は会社で上司や部下に挟まれながら、責任の重い仕事をしているように思えます。
それに比べれば、妻がしている仕事はのんきでお気楽に見えてしまいます。
それは、まったく誤解です。
自分の立場から相手を見ると、視点が自己中心的になります。
関わっている仕事の「種類」や「立場」が異なるだけで、実のところ、仕事の大変さは大差ありません。
一般的に、夫は会社で多く人に囲まれながら、大勢と協力をして達成するタイプの仕事をしています。
大きな仕事ですから、おのずから関わる人も増え、人間関係にも悩まされます。
上司からの理不尽な命令や、手のかかる部下を受け持つこともあります。
多くの人と関わりながら、大きな仕事を達成していきます。
出来上がる仕事の規模も大きいですから、大きな責任やお金も関わります。
一方で妻は、その逆です。
すべてを1人でこなすタイプの仕事をしています。
家の中には、妻1人。
2世帯住宅や子どもがいれば、少し状況は異なりますが、一般的に多くの仕事を妻1人が抱えることでしょう。
平日、妻は孤独に耐えながら、掃除・洗濯・買い物から食事までをしています。
夫とは「人の多さ」「仕事のタイプ」が異なるだけであり、実は夫も妻も大変です。
夫は「大人数による協力の大変さ」。
妻は「少人数による孤独の大変さ」。
1人が抱える仕事量を考えると、どちらも同じくらい大変です。
妻のほうが規模は小さいので簡単そうに思えますが、そうではない。
1人でやっていることを考えると、夫と同じくらいの仕事量なのです。