社会のルール・マナー・常識というのは、すぐ習得できそうな気がします。
しかし、これが落とし穴です。
社会のルール・マナー・常識というのは、底なしの井戸のようです。
もちろん基本的な事柄なら、すぐ習得できることでしょう。
人と会えば挨拶、箸の持ち方など、何年も時間がかかるわけではありません。
しかし、1人の人間として生きていくために必要な社会のルール・マナー・常識になると、実に多種多様です。
範囲が狭いようで、実は広い。
浅いようで、実は深い。
すべてきちんと習得しようとすると、実に時間がかかります。
親としては、子どもが他人に迷惑をかけず、子どもに恥をかかせないよう教育を施す必要があります。
しかし、学校があるからとはいえ、基本的な社会のルール・マナー・常識の教育をほったらかしにするケースがあります。
その代表的な例でいえば「テーブルマナー」です。
ナイフとフォークの正しい使い方を知る必要があります。
高級なレストランに行くと、同じようなナイフやフォークがいくつも出てきます。
実はそれぞれに意味があり、使い方があります。
それは本で学んでも身につきません。
実際に自分が体を動かして身につけていきます。
それだけでは済みません。
フィンガーボールなど、どのような使い方なのか、まったく見当もつかないものまで登場します。
さすがにこうしたことまで、学校では教えてくれません。
だからこそ、家庭内で教えるチャンスを、意図的に作る必要があります。
そこで水口家では、まれに家族で高級レストランに外食に出かけることがありました。
子どもには場違いな場所です。
しかし、親としては、学校で教えてくれないテーブルマナーを家庭で教えようとしていました。
最初は失敗ばかりでしたが、親からのフォローのおかげで次第に慣れていきます。
親の真似をして学ぶのが、一番習得が早くて、確実です。
こうした基本的な社会のルール・マナー・常識など、すべてを学校任せにするのではありません。
家庭でしか学べないこともあります。
子どもが恥をかく前に、家庭内で教えておく必要があります。
誰かに迷惑をかける前に、教える必要があります。
まず家庭内こそ、教育の基本であり土台です。
基本的な科目の勉強はもちろん学校が主体ですが、社会のルール・マナー・常識などは家庭が主体なのです。