執筆者:水口貴博

子どもの才能を伸ばす30の習慣

25

短所があるから、子どもは伸びる。

短所があるから、子どもは伸びる。 | 子どもの才能を伸ばす30の習慣

子どもは短所があるから、才能が伸びます。

「短所? 長所の間違いではないのか」

いいえ、間違いではありません。

たしかに伸びるといえば長所が思い浮かびますが、そうとも限りません。

長所がさらに伸びるためのエネルギーとして、短所が必要です。

短所とは、いわばコンプレックスです。

ほかの人より出来や評判が悪かったりする部分があると、それを補おうとする力が強くなります。

短所を隠したり補ったりすることで、逆に長所になるというのはよくある話です。

たとえば、生まれつき記憶力が悪い人もいれば、運動神経が鈍い人もいますね。

生まれつき記憶力が悪ければ、成績が伸び悩み、なかなか勉強がはかどらないことでしょう。

一方、生まれつき運動神経が鈍い人は、時間をかけているにもかかわらず、なかなか上達しません。

しかし、それでもいい。

スポーツがダメでコンプレックスなら、せめて勉強で見返してやればいい。

逆に勉強がダメなら、スポーツで見返してやろうという気持ちに変えればいい。

コンプレックスでためたストレスを、別のところで発揮すればいい。

親は子どもの短所に過剰反応する必要はありません。

あらゆるコンプレックスは、反動力へと変わります。

発明家トーマス・エジソンは、周囲の人との協調性がないという弱点があったからこそ、1人で集中できる力を発揮しました。

作曲家ベートーベンは、難聴に悩んでいたからこそ音への執着が強くなり、『第九』のような素晴らしい名曲を生みました。

細菌学者の野口英世は、幼いころ、左手にひどいやけどを負い、コンプレックスになっていました。

いじめられた経験が反動で、勉強で見返してやろうと努力した結果、黄熱病の研究で成果を上げました。

研究の末、黄熱病で亡くなりますが、功績がたたえられます。

ガーナ共和国の2004年11月発行の1000円札に、肖像として採用されています。

苦手な部分やダメな部分があってもいい。

ダメならダメで、他の分野で見返してやろうという力へ変わります。

短所があるからこそ、子どもは伸びるのです。

子どもの才能を伸ばす習慣(25)
  • 子どもの短所を、長所を伸ばす反動に使う。
わが子はわが子。
他人の子と比べる必要はない。

子どもの才能を伸ばす30の習慣

  1. 子どもの才能発揮は、マズローの5段階欲求説が鍵を握る。
  2. 愛情の注がれた子どもは、自然と才能を伸ばしていく。
  3. 子どもに約束を守りなさいという前に、親がきちんと約束を守る。
  4. 子どもに完璧を求めすぎない。
  5. 子どもの悪いところではなく、いいところを見る。
  6. 子どもの成長を喜ぶと、子どもの伸びはもっとよくなる。
  7. 子育て上手な親は演技がうまい。
    見ていないふりをしながら、しっかり見る。
  8. 社会のルール・マナー・常識などの勉強を、すべて学校任せにしない。
  9. 子どもの「やってみたい」という言動を、親はできるだけ支える。
  10. 夢中になって本を読むとき、その先に才能の可能性があるのかもしれない。
  11. 成功した親に育てられると、子どもも成功しやすくなる。
  12. 単に否定するしつけで終わらせない。
    代替案を与えながらしつける。
  13. 子どもの見方や感じ方を、最大限尊重する。
  14. 子どもの才能を伸ばすとき、親はエジソンの母を見習うべし!
  15. さまざまな経験を積むことは、自分の向き・不向きを知るきっかけになる。
  16. 心より技能を重視すると、才能は伸び悩む。
  17. 何事も「楽しさ」から教えることが肝心。
  18. 特定分野で、親より秀でた子どもに嫉妬しない。
  19. 子どもの「旺盛な好奇心」を、学校の勉強以上に重視する。
  20. 失敗は、成功の対義語ではなく同義語であると、子どもに教えてあげる。
  21. 「やりたいことをやる」という教育方針を貫く。
  22. 親がプラス発想だと、子どももプラス発想になる。
  23. 子どもが親を理解するのではなく、親が子どもを理解してあげないといけない。
  24. 私たちの元をたどれば、同じ親にたどり着く。
  25. 短所があるから、子どもは伸びる。
  26. わが子はわが子。
    他人の子と比べる必要はない。
  27. 才能に制限時間を設けないほうが、伸びやすくなる。
  28. 子どもは、親が思いもしない方向へ育っていくもの。
  29. 勉強ができない分野があってもいい。
    大切なことは「得意分野」があること。
  30. 「学ぶ楽しさ」から「生かす楽しさ」へスイッチを促す。

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