子どもの能力を伸ばすときに、比べて競争させる方法があります。
よその子を意識しながら、競争させる方法です。
事実、競争が必要とされる場面があるのもたしかです。
他人を意識するからこそ、怠けようとする心が引き締まります。
厳しい試練に耐えることができますし、負けん気ややる気も出ることでしょう。
競争するのは、能力の伸びを早くする方法の1つであるのはたしかです。
そういう学習方法を早くから取り入れている、幼稚園や小学校もあります。
能力を伸ばすことには大変有効な比較や競争です。
しかし、才能を発見したり伸ばしたりすることに直接つながるかというと、疑問です。
才能を見つけたり伸ばしたりするとき、他人と比べるのは本末転倒です。
才能は、常に「自分の中」にあります。
自分の中から掘り起こして、育てていきます。
内側にありますから、他人と比べたりするのはナンセンスです。
他人と比べても、逆に気になって、周りの行動に流されます。
よその子は、よその子です。
父も違えば、母も違います。
好みも性格も違います。
向き・不向きも違うでしょうし、得意・不得意の違いなどもさまざまです。
よその子と比べると、才能は伸びるどころかつぶれます。
他人との競争の中で、子どもは自分が本当にやりたいことを発見しにくくなります。
競争で他人を意識しすぎるからこそ、自分の好きなことややりたいことが余計にわからなくなります。
しかも競争という猛スピードの中です。
自分のことを考える時間もなければ、心の余裕もありません。
限られた範囲の能力を引き伸ばすために有効な手段の1つですが、受験のように限られた時間内に限られた勉強をするときだけです。
才能のように、個人の持ち味が違う分野に関しては、比較や競争も不要なのです。