「歴史が95点。一方、国語はたったの30点」
もし子どもがこんな点数を取れば、親であるあなたはどう言いますか。
普通の親なら「いい成績」より「悪い成績」を見てしまいます。
「歴史はもう十分な点数が取れているから勉強する必要はない。そんな時間があるなら国語を勉強しなさい。穴を埋めなさい」
山になっているところより、穴が開いているほうを見てしまいます。
人間の悪い癖です。
得意なところはいいとして苦手な分野をなくさせようとします。
これを続けていくと、どこのお子さんでも平均的な人間へと育ってしまいます。
平均的に育てようとすればするほど、才能の芽はつぶれます。
大切なことは「平均」より「偏り」です。
もし、子どもが得意科目にばかり点数が偏り始めたら、悪い傾向ではなく、むしろいい傾向です。
あることは得意なのに、あることは苦手という分野はあっていい。
見方を変えて言えば「子どもはきちんと自分の得意分野を認識して、集中できている」ということです。
メリハリがついています。
平均的ではないことに危機感を抱く必要はありません。
何かが伸び悩んでいる分、何かが伸びている分野がきちんとあります。
こういうとき親は「歴史が大好きなんだね。すごいね」と褒めてあげます。
歴史の勉強の背中をもっと押すくらいでいい。
子どもは褒められたことに自信を持ち、さらに勉強することでしょう。
すると、限りなく100点に近い点数を取ります。
単に歴史が大好きで得意な子どもにとって、学校の試験範囲が狭くて浅いだけです。
すでに100点に近い点数を取っているにもかかわらず、もっと勉強したところでやはり100点を超える点数は取れません。
学校で受けるテストでは、そうです。
単にテストには表れていない点数があります。
点数は100点でも、実は110点、120点が取れていることに気づきましょう。
点数には表れない点数です。
それが才能です。
100点以上の点数が取れるほど歴史が得意になれば、その子は一生それで食べていけます。
得意な歴史を生かして「歴史の先生」になる可能性が大きいことでしょう。
そのほか歴史に関連する専門職に就く可能性も大きくなります。
就職にも有利になります。
平均的でなくてもいい。
むしろ平均的のほうが危ないです。
これといった長所がない人に比べれば、成績に偏りがあっても、誰にも負けない得意分野がある人のほうが、就職は有利です。
そもそも、子どもは歴史が大好きですから、大好きなことを仕事にできることほど幸せなことはありません。
仕事面にせよ、金銭面にせよ、1つの科目をどんどん伸ばしていくことです。
成績の偏りは、本人の才能が発揮し始めているいい兆候なのです。