執筆者:水口貴博

子どもの才能を伸ばす
30の習慣

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勉強ができない分野があってもいい。
大切なことは
「得意分野」があること。

勉強ができない分野があってもいい。大切なことは「得意分野」があること。 | 子どもの才能を伸ばす30の習慣

「歴史が95点。一方、国語はたったの30点」

もし子どもがこんな点数を取れば、親であるあなたはどう言いますか。

普通の親なら「いい成績」より「悪い成績」を見てしまいます。

「歴史はもう十分な点数が取れているから勉強する必要はない。そんな時間があるなら国語を勉強しなさい。穴を埋めなさい」

山になっているところより、穴が開いているほうを見てしまいます。

人間の悪い癖です。

得意なところはいいとして苦手な分野をなくさせようとします。

これを続けていくと、どこのお子さんでも平均的な人間へと育ってしまいます。

平均的に育てようとすればするほど、才能の芽はつぶれます。

大切なことは「平均」より「偏り」です。

もし、子どもが得意科目にばかり点数が偏り始めたら、悪い傾向ではなく、むしろいい傾向です。

あることは得意なのに、あることは苦手という分野はあっていい。

見方を変えて言えば「子どもはきちんと自分の得意分野を認識して、集中できている」ということです。

メリハリがついています。

平均的ではないことに危機感を抱く必要はありません。

何かが伸び悩んでいる分、何かが伸びている分野がきちんとあります。

こういうとき親は「歴史が大好きなんだね。すごいね」と褒めてあげます。

歴史の勉強の背中をもっと押すくらいでいい。

子どもは褒められたことに自信を持ち、さらに勉強することでしょう。

すると、限りなく100点に近い点数を取ります。

単に歴史が大好きで得意な子どもにとって、学校の試験範囲が狭くて浅いだけです。

すでに100点に近い点数を取っているにもかかわらず、もっと勉強したところでやはり100点を超える点数は取れません。

学校で受けるテストでは、そうです。

単にテストには表れていない点数があります。

点数は100点でも、実は110点、120点が取れていることに気づきましょう。

点数には表れない点数です。

それが才能です。

100点以上の点数が取れるほど歴史が得意になれば、その子は一生それで食べていけます。

得意な歴史を生かして「歴史の先生」になる可能性が大きいことでしょう。

そのほか歴史に関連する専門職に就く可能性も大きくなります。

就職にも有利になります。

平均的でなくてもいい。

むしろ平均的のほうが危ないです。

これといった長所がない人に比べれば、成績に偏りがあっても、誰にも負けない得意分野がある人のほうが、就職は有利です。

そもそも、子どもは歴史が大好きですから、大好きなことを仕事にできることほど幸せなことはありません。

仕事面にせよ、金銭面にせよ、1つの科目をどんどん伸ばしていくことです。

成績の偏りは、本人の才能が発揮し始めているいい兆候なのです。

子どもの才能を伸ばす習慣(29)
  • 点数の偏りを、喜ぶ。
「学ぶ楽しさ」から「生かす楽しさ」へスイッチを促す。

子どもの才能を伸ばす30の習慣
子どもの才能を伸ばす30の習慣

  1. 子どもの才能発揮は、マズローの5段階欲求説が鍵を握る。
    子どもの才能発揮は、マズローの5段階欲求説が鍵を握る。
  2. 愛情の注がれた子どもは、自然と才能を伸ばしていく。
    愛情の注がれた子どもは、自然と才能を伸ばしていく。
  3. 子どもに約束を守りなさいという前に、親がきちんと約束を守る。
    子どもに約束を守りなさいという前に、親がきちんと約束を守る。
  4. 子どもに完璧を求めすぎない。
    子どもに完璧を求めすぎない。
  5. 子どもの悪いところではなく、いいところを見る。
    子どもの悪いところではなく、いいところを見る。
  6. 子どもの成長を喜ぶと、子どもの伸びはもっとよくなる。
    子どもの成長を喜ぶと、子どもの伸びはもっとよくなる。
  7. 子育て上手な親は演技がうまい。<br>見ていないふりをしながら、しっかり見る。
    子育て上手な親は演技がうまい。
    見ていないふりをしながら、しっかり見る。
  8. 社会のルール・マナー・常識などの勉強を、すべて学校任せにしない。
    社会のルール・マナー・常識などの勉強を、すべて学校任せにしない。
  9. 子どもの「やってみたい」という言動を、親はできるだけ支える。
    子どもの「やってみたい」という言動を、親はできるだけ支える。
  10. 夢中になって本を読むとき、その先に才能の可能性があるのかもしれない。
    夢中になって本を読むとき、その先に才能の可能性があるのかもしれない。
  11. 成功した親に育てられると、子どもも成功しやすくなる。
    成功した親に育てられると、子どもも成功しやすくなる。
  12. 単に否定するしつけで終わらせない。<br>代替案を与えながらしつける。
    単に否定するしつけで終わらせない。
    代替案を与えながらしつける。
  13. 子どもの見方や感じ方を、最大限尊重する。
    子どもの見方や感じ方を、最大限尊重する。
  14. 子どもの才能を伸ばすとき、親はエジソンの母を見習うべし!
    子どもの才能を伸ばすとき、親はエジソンの母を見習うべし!
  15. さまざまな経験を積むことは、自分の向き・不向きを知るきっかけになる。
    さまざまな経験を積むことは、自分の向き・不向きを知るきっかけになる。
  16. 心より技能を重視すると、才能は伸び悩む。
    心より技能を重視すると、才能は伸び悩む。
  17. 何事も「楽しさ」から教えることが肝心。
    何事も「楽しさ」から教えることが肝心。
  18. 特定分野で、親より秀でた子どもに嫉妬しない。
    特定分野で、親より秀でた子どもに嫉妬しない。
  19. 子どもの「旺盛な好奇心」を、学校の勉強以上に重視する。
    子どもの「旺盛な好奇心」を、学校の勉強以上に重視する。
  20. 失敗は、成功の対義語ではなく同義語であると、子どもに教えてあげる。
    失敗は、成功の対義語ではなく同義語であると、子どもに教えてあげる。
  21. 「やりたいことをやる」という教育方針を貫く。
    「やりたいことをやる」という教育方針を貫く。
  22. 親がプラス発想だと、子どももプラス発想になる。
    親がプラス発想だと、子どももプラス発想になる。
  23. 子どもが親を理解するのではなく、親が子どもを理解してあげないといけない。
    子どもが親を理解するのではなく、親が子どもを理解してあげないといけない。
  24. 私たちの元をたどれば、同じ親にたどり着く。
    私たちの元をたどれば、同じ親にたどり着く。
  25. 短所があるから、子どもは伸びる。
    短所があるから、子どもは伸びる。
  26. わが子はわが子。<br>他人の子と比べる必要はない。
    わが子はわが子。
    他人の子と比べる必要はない。
  27. 才能に制限時間を設けないほうが、伸びやすくなる。
    才能に制限時間を設けないほうが、伸びやすくなる。
  28. 子どもは、親が思いもしない方向へ育っていくもの。
    子どもは、親が思いもしない方向へ育っていくもの。
  29. 勉強ができない分野があってもいい。<br>大切なことは「得意分野」があること。
    勉強ができない分野があってもいい。
    大切なことは「得意分野」があること。
  30. 「学ぶ楽しさ」から「生かす楽しさ」へスイッチを促す。
    「学ぶ楽しさ」から「生かす楽しさ」へスイッチを促す。

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