水口家の応接間には、大きな亀のはく製があります。
これが結構大きいです。
どのくらい大きいのかというと、子どもが亀の背中に乗れるくらいの大きさです。
私が幼いころは、気になって仕方ありませんでした。
子ども心に「触ってみたいな」という気が出てきます。
しかし、です。
応接間の高い位置に立てかけられていたので、全然手が届きませんでした。
椅子を使っても届かないような高い位置です。
「なぜあんな高い位置にかけているのだろう。触りたいな」
今になって思えば、なぜ高い位置に立てかけていたのかわかります。
私も親なら、同じことをしていたでしょう。
子どもの手に触れさせないためです。
もし、あの亀のはく製を子どもの手の届くところに置いてあれば、どうでしょうか。
確実に、私は壊していたことでしょう。
親は子どもに触れさせないように工夫した結果、高い位置に立てかけました。
高い位置に飾ることで「はく製としての見栄え」と「子どもに触れさせない」という2つの都合を同時に叶えていました。
これに気づいた親もなかなかです。
そもそも子どもの身の回りに高価な物を置かないことです。
子どもは汚したり壊したりするものです。
高価な物だからとはいえ、どれだけ高価であるかわかっていません。
親もわかりきっているはずです。
家の中に高価な物があるときには、子どもの手の届かない位置にしまっておくことです。
高価な物を壊され、怒鳴ることもなくなります。
そもそも、まだ子どもが幼い時期は、高価な物を買わない工夫も必要です。
高価な絵を家に飾っても、子どもに汚される可能性が高いでしょう。
安い物を選べば、壊されてもショックは小さい。
「どうせ安物」「また買えばいい」と思うからです。
壊されてもいいような物を用意すれば、高価な物を壊されたショックで子どもを怒鳴ることもなくなります。
単純ですが、それだけの話です。
子どもの身の回り品に高価な物を置かないだけで、子どもを叱る回数が減るのです。