子どもを叱るとき、1人ではなく、一度に大勢を叱る場合があります。
特に先生には多いことでしょう。
1人の先生が何十人もの生徒を相手にしていると、同時に悪さをした複数人を叱るケースはよくあります。
たとえば、いたずらをした子どもが10人いたとします。
10名同時にお説教をしようとすると、汎用的な言い方になります。
「みんな、気をつけて」
「みんな、きちんとしなさい」
「みんな、なぜそんなことをするの」
こうした言い方は、ためになるようで、あまりためになっていません。
複数名に対して、同時に伝えようとすると、メッセージ性は弱くなります。
10人いれば、10分の1の効果です。
生徒には、少しかゆい程度です。
心のどこかで「自分は違う。自分は大丈夫だろう」と思ってしまいます。
大勢に対してほど、メッセージ性も極端に下がってしまいます。
では、こんなとき、どうすればいいのでしょうか。
先生は面倒な気持ちがあっても、一人一人に面接です。
たとえば、10名を同時に叱るのではなく、一人一人順番に面接します。
個室を用意して、一人一人から事情を聞いたり、一人一人に「なぜいけないのか」「次からきちんとすること」を伝えたりします。
そうするしかありません。
手間はかかりますが、そういう接し方が一番よく身につき、子どものためになるのです。