しつけるときに使う言葉と言えば、どんな言葉が思い浮かぶでしょうか。
「ダメです」
「いけません」
「何をやっているの!」
「こら!」
「やめなさい!」
さて、これらの言葉を、子どもの立場になって考えてみましょう。
単に「ダメです」「いけません」などの否定言葉だけで「なるほど」「わかった」と思うでしょうか。
いいえ、そうは思いませんね。
やめなさいと言われたから、やめるだけになります。
たしかにしつけることは大事ですが、単に叱ればいいという問題でもありません。
叱るとき、必ず追加してほしいポイントがあります。
「理由」です。
叱るときは、必ず「理由」も一緒にセットにするよう心がけましょう。
すでに礼儀・作法・常識を知っている親には、ささいなことかもしれません。
親はなぜよくないのか理解していますが、子どもは「なぜいけないのか」が理解できていません。
生まれてからまだ世の中のことを知らない子どもには、大人が当たり前と思っていることすら、わからないことだらけですね。
親が当たり前と思うことでも「なぜいけないのか」を丁寧に優しく伝えましょう。
「人とあったら挨拶をしなさい」という言い方ではない。
「挨拶をしたほうが話しかけやすくなるでしょう。だからきちんと挨拶をしましょうね」と言う。
「悪いことをしたら謝りなさい」ではない。
「仲直りしないと友人が減るでしょう。だからきちんと『ごめんなさい』と謝って仲直りしましょう」
「そうすれば友人といつまでも仲良くできるよ」と言う。
「ご飯粒を残さない」というだけの言い方はよくありません。
「ご飯を残したら一生懸命に作ってくれた人が悲しむよ。残さず食べましょうね」と言う。
このように必ず理由をセットにして、しつけることで「なぜいけないのか」を子どもは理解していくのです。
理解を伴うから、行動力が出てきます。
子どもを納得させるようにしましょう。