とある作家の本を読んでいるとき、ふと、気になる表現が目につきました。
「これもダメです。あれもダメです」
「これはしてはいけません。あれもしてはいけません」
こうした行動を制限する文章が続いていたことです。
読みながら、途中でふらふらしたことがあります。
「してはいけない」と言われ続けると、元気がなくなりませんか。
「あれもダメ。これもダメ」と言われていると、何もできなくなります。
行動を制限され、元気を奪われる言葉です。
私が文章を書くときに心がけていることがあります。
「『ダメ』という言い方は避けること」です。
「ダメ」という表現をしたいときには「よくない」という別の表現を使うようにしています。
言わんとしていることは同じです。
「やってはいけませんよ」ということを表現していますね。
「よくない」という言い方のほうが、かどが取れた言い方です。
言葉が丸くなり、聞き入れやすくなりませんか。
子どもを叱るときも同じです。
「ダメ」と言いそうになったら「よくありません」という言い方に変えてみましょう。
とげのある表現ではないので、落ち込みを防ぐことができるようになります。
親の言うことを聞きやすくなるのです。